平成29年9月 連盟会長ができること~小さな国の赤十字・赤新月社訪問

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コモロ赤新月社の救援物資の説明を受ける

 近衞社長は9月24日から1週間、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)会長としてインド洋に浮かぶアフリカの小さな島国コモロ連合と南アフリカ共和国の中にある立憲君主国、レソト王国を訪問しました。今回が連盟会長として最後の加盟社訪問でした。
 第一の訪問国コモロ国は、日本から乗り継ぎ3回を経て約30時間かかりました。今まで何度か訪問先の候補に上がりながら、時間的な制約から実現しませんでした。近衞社長は出発前、「連盟会長の自分が行くことで、めったに陽の当たらない社や地域が注目されるきっかけになれば大変うれしい」と過酷な訪問日程にも関わらずアフリカの小国を訪問地として選んだ理由を語っていました。

 アフリカのインド洋諸国は、マダガスカル(人口2千5百万人)を除くと面積や人口規模が小さく(コモロ80万人、モーリシャス126万人、セイシェル9万5千人)、サイクロン、豪雨、洪水、火山噴火などの災害が頻発するという共通点があります。国際的な関が寄せられず、支援は多くありません。コモロには、近衞社長の訪問に合わせ、インド洋の4社が集まり、それぞれの社の課題と地域内の連帯について話し合う機会が設けられていました。マダガスカル赤十字社のラツィママンガ社長は「この地域は気候変動の影響で近年、洪水や干ばつが多発し、貧しい人々は飢餓に直面している」と訴え、連盟がこの地域により深くコミットすることを求めました。近衞社長は、各社が困難な状況の中でも、エイズ対策や健康安全の面に一生懸命取り組んでいることをねぎらい、今後も地域の連携を強化し、コミュニティに根差した活動が推進されるよう激励しました。

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旱魃の被害地域でのレソト赤十字社活動を視察

 コモロに続いて訪問したレソトは、アフリカ一の経済力を誇る南アフリカにすっぽりと囲まれた、標高1千メートル以上の高地にある人口220万人の小国。ここでの近衞社長の出番は、途上国が直面する課題『国内での資金造成』に一役買うことでした。朝6時半に空港に到着すると、その足で国王、女王臨席の下で行われたレソト赤十字社主催の創立50周年記念朝食会に直行。そこには国内の実業家が多く招待されていました。レソト赤十字社のエイズ孤児支援を受け、祖母と暮らしている17歳のリンポさんは、赤十字に感謝しつつ「これからも頑張りたい」と今後も今まで通り前へ進む決意を表明すると、参加者の中からすぐに支援者が現れました。国王が個別の会合に出席し、出席者へ直接赤十字社への寄付を呼び掛けることは大変まれなことらしく、レソト赤十字社の喜びようは大変なものでした。
 近衞社長は連盟会長としての8年間に71か国を訪問していますが、島嶼・小国の課題は、類似した悩みがあると言います。災害があっても大きなニュースにならないことは、支援規模に大きく関係します。国内の経済規模が小さいと、国内での資金造成が困難です。島嶼部でのロジスティックスも大きな問題です。この困難を克服するためには、「同地域の赤十字社同士が交流し、支援しあうことが必要」と訪問中何度も繰り返していました。レソトからの長い帰路で、「『大きなニュースにならない静かな災害』があることを支援社が気に掛けることが大切だ」と、一支援社の社長としての顔を見せ、連盟会長として最後の外国訪問を終えました。

リンク
http://africatimes.com/2017/09/30/in-comoros-africas-vulnerable-island-nations-talk-disaster-preparednes

https://reliefweb.int/report/lesotho/lesotho-ifrc-president-calls-proactive-measures-tackle-drought-hunger-and-disease