ラオス政府から感謝メダルを授与!~ラオスと日赤が築いた20年以上にわたる協力関係~

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駐日ラオス大使のヴィロード・スンダーラー閣下と近衞日赤社長

「ラオス政府代表として嬉しく思います。このメダルは、ラオスに対して資金や人員による貢献があった外国人や団体への感謝を表すものです。日本赤十字社がラオス赤十字とともに全力で取り組んでくださったこれまでの活動すべてが、国内の公衆衛生を向上させるとともに、ラオスと日本の交流を深めることに繋がりました。」

駐日ラオス大使、ヴィロード・スンダーラー閣下

ラオス政府から日本赤十字社への感謝メダル贈呈

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日本赤十字社(以下、日赤)は、9月22日にラオス大使館で開催されたメダル贈呈式において、20年以上にわたり行ってきたラオス赤十字の血液事業に対する支援が評価され、同国政府から感謝メダルを授与されました。

当日は、ラオス政府を代表して、同閣下から近衞忠煇日赤社長に、外国人に対する表彰の中では最高位の「感謝メダル(Development Medal)」が贈呈されたほか、本支援に尽力した日赤職員10名(退職職員含む)に対して「友好メダル(Friendship Medal)」が贈呈されました。

約20年前のラオスの現状 " 献血怖い "

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ラオス赤十字が血液事業を開始した当初(平成3年)、日本のように無償のボランティアで献血を行う人の数は、ラオス国内においてわずか年間5名程度で、輸血用血液のほとんどが売血や家族からの提供によって賄われていました。当時は献血を極端に怖がる人も多く、血液を提供してくれる方が見つからず輸血を実施できないこともありました。また、輸血による感染症を防ぐための検査も十分に実施されていない状況でした。

輸血を必要とする方に、より安全な血液を届けるために

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そのような状況のなか、ラオス赤十字から支援要請を受け、平成7年から支援を開始しました。

第一次支援(平成7年~平成15年)では、血液センター新社屋建設や検査試薬・機器等の整備への資金的な援助を行いました。また、職員を長期にわたって派遣し、人材育成や活動内容への助言などを行い、献血制度や検査体制の確立、首都における献血率100%の達成など、同国における血液事業の運営基盤の強化に貢献しました。

さらに、第二次支援(平成24年~平成29年3月)では、品質の保証された血液製剤をラオス全域に安定的に供給するため、関係業務における手順の標準化などを支援しました。

「血液事業を支える人道のこころ」

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ラオス赤十字中央血液センターのチャンタラ所長は、支援開始後に血液センターで働きはじめ、ともに活動をしてきた職員のうちの一人です。

「日赤の支援がなければ、ラオスの血液事業は始まらなかったでしょう。日赤の経験により裏付けられた技術的助言は、我々の活動のすべてに役に立っています。血液事業は人道的なものであり、欠かすことができません。課題はまだまだありますが、日赤の支援終了後の現在も、血液製剤の安全性向上のための努力を続けています。」

各国共通の使命である安全な血液製剤の安定的な確保・供給に向けて

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贈呈式で近衞社長は、「長期にわたる両赤十字社の努力の結果が今回の受賞に繋がりました。特に、ラオス赤十字のひたむきな努力があってこそ、ラオス国内において輸血を必要とする方に、安全な血液製剤を届けることができるのだと思います。」と述べました。

今後も、日赤では各国の血液事業関係者と連携し、共通の使命である安全な血液製剤の安定的な確保・供給に努めてまいります。