シリア:氷点下で暮らす避難民への越冬支援

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病院に緊急搬送される妊婦 ©SARC(Syrian Arab Red Crescent)

4年におよぶ政府側と反政府組織との武力衝突により、シリア国内では650万人が紛争を逃れて、国内避難民として暮らしています。

砂漠気候の内陸部やイラク国境に接する山間部は、冬には大雪や氷点下の気温が続きます。

着の身着のまま故郷を離れた人びとは、吹きさらしの建設現場や、暖房がない簡易な宿泊施設などで暮らしており、避難先で医療機関にかかることもままならない状況で、生死を脅かす寒さにさらされています。

草の根で届ける救援物資

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避難民キャンプで暖をとる子どもたち ©SARC

シリア赤新月社(以下、シリア赤)は全国に広がるボランティアネットワークを生かして、紛争下でも草の根で人びとに支援を届け続けています。

赤十字は避難生活を送る人びとに毛布やマットレスなどを届けていますが、国連などが提供する救援物資の多くも、シリア赤のボランティアの手を通じて、戦禍をくぐって必要な人びとに届けられています。

※赤新月社:イスラム諸国における赤十字社

年明けから各地を襲っている大雪を受けて、シリア赤は、建設現場などで凍えて暮らす824人をより安全な緊急避難所に移動させたほか、毛布やマットレス、調理器具セット、衛生用品などを配布。また、公共施設などで避難生活を送っていた9人の孤児を、シリア赤の孤児院に受け入れました。

救急患者の緊急搬送

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救急車に患者を乗せる救急チーム ©SARC

避難生活を送る人びとは、十分な医療を受けることができません。1月の大雪の影響を受けた被災者を支援するため、訓練を受けたシリア赤の救急チームが各地で活動しました。

首都ダマスカスでは、シリア赤の救急チームが188人の避難民を病院に救急搬送したほか、スワイダー県支部でも24時間体制の相談窓口を開設。

心筋梗塞や妊婦など、227件の救急相談を受け、応急処置や救急搬送などを行っています。

シリア赤の救急車内で新しい命が生まれるという、喜ばしい出来事もありました。

日本赤十字社はシリア・イラク人道危機に対する救援金を募集しています。

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