レバノンにおけるシリア難民支援:「公平性」を実現するために

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今なお続く紛争により、シリアでは390万人以上が国外へ難民として避難し、国内では1200万人以上が人道支援を必要としています(2015年4月2日現在、国連調べ)。

シリア国内と周辺国では、現地の赤十字社や赤新月社がそれぞれ支援事業を実施しています。

日赤は2014年7月から、レバノン赤十字社(以下、レバノン赤)を通じてベカー高原に避難しているシリア難民を支援しています。

レバノンは、118万人の難民を受け入れている一方、政府は国際NGOや国連機関による難民キャンプの設立を認めていません。そこで、逃れてきた難民の中でアパートを借りる経済力がない、または身寄りのない人びとは、自分たちで非公式な住居を作って暮らしています。

受け入れコミュニティーの負担

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ベカー県中央のザーレにある非公式難民キャンプ

シリア国境に位置するベカー高原は、非公式な避難居住が最も多く、日々新しい難民が流入してくる地域でもあります。

約75万人が住む地域なのですが、シリア紛争が起こって以来、11万人以上のシリア難民を受け入れてきました。

公式なキャンプがないため、農地や空き地にテントや簡易な小屋を建てて避難生活を始める難民。着の身着のまま逃れてきた難民たちは、雨風をしのぐ家はもちろん、水や食料、生活用品も必要としています。

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ベカー県西部ラチャヤにある非公式の難民キャンプからは
シリアのアンレバノン山脈が見えます

日々の生活では、トイレなどから汚水が発生します。

受け入れコミュニティーがそれらの負担をすべて担うには負荷が大きく、人口が一気に増えると電気や水の供給が不安定になり、汚物・汚水処理を挙げても行政のみで対応することは不可能です。

人道支援のニーズが高まるものの、公式なキャンプではないため、状況を把握することも、大掛かりな支援を届けることも非常に困難な状況です。

支援の行き届かない小さな難民キャンプへの支援

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ラチャヤでの物資の配布

日赤は、他団体が支援することのできない地域にも支援活動を行っています。

ベカー高原にあるベカー県中央のザーレ、ベカー県西部のラチャヤ、南レバノン県のハスバヤとチェバで、トイレの排せつ物の処理と衛生促進を行う衛生事業や、給水、毛布や台所用品、トイレットペーパーや歯ブラシなど洗面用具(衛生キット)の物資を配布しています。

レバノン赤は、「平和を広め、社会を支え、中立に人種、性別、社会、宗教、支持政党などの隔たりなく人びとの苦しみを緩和すること」を目標に掲げ、赤十字原則の「公平性」を実現できるよう、支援活動を続けています。

中東人道危機救援金を受け付けています

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日本赤十字社 組織推進部 海外救援金担当

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