東日本大震災発生から7年

東日本大震災復興支援国赤十字・赤新月社会議2018を開催


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万人を超える死者、行方不明者を出した東日本大震災から7年が経ちます。この間、日本赤十字社は海外からお寄せいただいた約1,002億円の海外救援金を活用して被災者を支援してきました。このような多額の海外救援金を受けたのは関東大震災(1923年)以来のことで、日本赤十字社にとっても、時間の経過と共に変化する被災者のニーズに対応することは、必ずしも容易なことではありませんでした。この経験から得た教訓、課題等を支援してくださった各国赤十字社と共有し、また、海外における最近の大災害から得た知見を互いに学ぶことを目的に本会議が開催されました。

 日本赤十字社が実施する復興事業は、すでに約9割以上の事業が完了していますが、今なお仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者、なかでも高齢者を対象に、こころのケア、ノルディックウォーキングなどの支援、また、防災教育、青少年赤十字防災教育などの活動を継続しています。

東日本大震災復興支援国赤十字・赤新月社会議2018

IMG_6958.JPG(大塚副社長).JPG

大塚副社長の開会挨拶

226日から3日間の日程で開催された本会議には、海外の赤十字・赤新月社からの参加者48名を含む、約100名が参加しました。初日の26日は芝パークホテルでの会議、27日、28日は被災地を訪問し、被災地の現状視察、被災者との交流などから得られた知見を分かち合い、本会議の締めとしました。

IMG_6971.JPG(山澤部長).JPG

セッション1:東日本大震災復興支援事業報告

初日は、日本赤十字社大塚副社長及び国際赤十字・赤新月社連盟事業担当事務次長チャパガン氏による挨拶、山澤事業局副局長による東日本大震災復興支援事業報告において、これまでの事業の成果、教訓、課題を始め、第三者評価及び提言に係る日本赤十字社の対応、今後の大規模災害に備えた日本赤十字社の取り組みについての報告及び意見交換がなされました。

IMG_7034.JPG(黒川教授).JPG

セッション2:招待講演(政策研究大学院大学名誉教授黒川清氏)

招待講演「7years later」においては、政策研究大学院大学名誉教授であり、国会福島原子力発電所事故調査委員会委員長でいらした黒川清氏により、今なお続く、東日本大震災がもたらした諸課題が提示されました。

IMG_7052.JPG(セッション3学生チーム).JPGのサムネイル画像

セッション3:わかりやすいプロジェクト国会事故調査委員会学生チームの発表

わかりやすいプロジェクト国会事故調査委員会学生チームによる講演「今、ふたたび原発事故を振り返る-The NAIIC revisited」においては、地元の高校生の目から見た福島第一原発事故についての考察を通して、事故に至る根本原因が我々の身近なところに潜んでいることが伝えられました。

IMG_7103.JPG(パネルディスカッション).JPGのサムネイル画像

セッション4:パネルディスカッションの
質疑応答

本会議の中心的な議題である「コミュニティへの支援とレジリエンス強化の取組」について、急性期の日赤の救護活動を評価したタルボット氏、復興活動を評価したバベ氏、連盟代表として東京に駐在し、日赤を長年支援してきたエダー氏、日赤を代表して救護・福祉部次長白土氏の4人からなるパネルディスカッションでは、評価から得られた日赤への提言を元に、スマトラの大津波からの教訓やニュージーランドの地震、ドイツへの難民の流入などの事例も紹介され、活発な議論が交わされました。

IMG_2935.JPG(にこにこ健康教室).JPG

被災地訪問:にこにこ健康教室のホットタオルづくりに挑戦する外国人参加者(左から2人目)

227日、28日の被災地訪問では、岩手県庁、女川町地域医療センター、大川小学校旧校舎、浪江町を初めとする帰宅困難地域、三春町にある葛尾村復興公営住宅、福島県環境創造センターを視察しました。
震災前からあった高齢化の問題に対し復興を機に前向きに取り組む女川町、大川小学校の教訓を将来に生かす努力、殺伐とした無人の発電所周辺の村々、故郷に帰る日を待つ三春町の復興公営住宅に暮らす葛尾村の人々、そこで福島県支部が実施している「にこにこ健康教室」を視察し、復興の長い道のりを実感しました。

 旅程の最後に参加者がこの会議から得た感想、学び、提言などを話し合う機会が設けられ、今後、そこで表明された率直な意見を集約して国際赤十字・赤新月全体に報告・提言してゆくことになります。



赤十字国際ニュース第8号東日本大震災発生から7年.pdf(716KB)