産休サンキュープロジェクト:ニュースレターのご紹介

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日本赤十字社(以下「日赤」という)が企業とのパートナーシップ事業の一環として実施している産休サンキュープロジェクト。日本に生まれた赤ちゃんの誕生をきっかけに、そのご家族と企業・団体が一緒になって、アフリカの子どもたちやそのご家族の支援を行っています。日赤では毎年4月と11月にニュースレターを発行し、支援の効果と事業成果をご報告しています。

今号では、先月発行された最新のニュースレターの内容を一部抜粋してお届けします。

コロナ禍のアフリカ ~学校閉鎖がもたらしたもの~

2020年始めに端を発し、今なお猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)。新型コロナの対応措置として第一波のピーク時には194カ国が学校閉鎖を行い、就学者全体の約90%、10億6千万人が影響を受けたと言われています。

以下でご紹介するように、本プロジェクトの対象地、サブサハラアフリカ地域も決して例外ではありません。

妊娠で、教育の機会が奪われる!?

サブサハラアフリカ地域は世界でも男女の格差が顕著で、以前から十代の少女は教育を受ける機会を阻害され、暴力や望まない妊娠・結婚のリスクにさらされています。ワールドビジョンは、2020年8月に発表した報告書の中で、学校閉鎖が特にサブサハラアフリカ地域にもたらした影響、十代の望まない妊娠や退学を余儀なくされる少女の急増と、その結果地域が被る経済的損失の大きさについて警笛を鳴らしました。

12月現在、UNESCO(国連教育科学文化機関)によると学校閉鎖を継続しているのは世界で30カ国ほどで、ほとんどの国では教育を再開しています。しかし、学校再開で全ての課題が解決するわけでは決してありません。同地域が直面する問題を緩和するには、若者への性教育の実施、地域への啓発活動、行政や議会への働きかけ、財政支援など複合的な取り組みが必要なのです。

マラウイ ~保育所は再開したけれど~

子ども達

保育所の子ども達©IFRC 

 2020年3月の学校封鎖から約7か月。10月半ば、マラウイ赤十字社の職員が、ようやく再開した保育所を訪問しました。

 日赤は、マラウイ中部のンチシ県にある5つの保育所を支援しています。ンチシ県のHIV感染率は比較的低い一方で、HIV/エイズは多くの子ども達に影響を与えており、両親を亡くした孤児や彼らの世話をする祖父母への支援が必要となっています。

メリアナ・センガニマルニゲさん

保育士のメリアナ・センガニマルニゲさん©IFRC

 今回訪問した2か所の保育所には合計で444名の乳幼児達が通っています。子ども達の多くが両親を失い、または出稼ぎ中のため祖父母と住む場合や、両親がいても離婚や再婚で祖父母と住む場合がほとんどです。

 マラウイ赤のボランティアで、保育所で働くメリアナさんは、保育士としての喜びと保育所が抱える課題を次のように語ってくれました。「子ども達が、親がいるかいないかなんて気にせずに、一緒くたになって遊んでいるのを見ると、幸せな気持ちになります。けれど保育所は今、子ども用の遊び道具や清潔な水場を必要としています。子ども達の数も多くなっていますし、新型コロナに正しく対処するための知識や設備が必要なのです」。

ルワンダ ~まだ見えぬ再開のひかり~

オノリンさん

オノリンさんとのテレビ会議の様子

 一方ルワンダは、本プロジェクトが支援している6カ国の中で唯一、まだすべての学校の再開に至っていません。ルワンダ南部のギサガラ郡で保育所の先生をしているオノリンさんに現地の様子を聞くことができました。

 「何人もの子ども達から『なんで保育所が閉まってしまうの?』『いつ保育所に来られるの?』と尋ねられました。子ども達をがっかりさせたくなかったので、分かっていること、本当のことを話しました。『新型コロナの流行が終わったらまた保育所に来られるからね』と。」

オノリンさんとエメラゾール君

オノリンさんとエメラゾール君 ©RRCS

ルワンダ政府は、3月に保育所を閉鎖して以降、オノリンさんへ給与の支払いを停止しています。3歳になる息子のエメラゾール君の在宅でのお世話は大変ですが、「夫と両親が一緒に息子の面倒を見てくれるのでなんとかやっています」ということ。一方で、今一番苦労していることは「お給料をもらっていないので、お金がなく生活が苦しい」と教えてくれました。

 世界中には今、たくさんの「オノリンさん」がいます。

プロジェクト第4期が始まります!

2013年に始まり、はや8年。産休サンキュープロジェクトは、来年1月から第4期目をスタートさせます。アフリカの貧困や保健衛生課題の改善に取り組みながら、企業の人道支援への関心喚起と産休・育休の促進に寄与するプロジェクト。世界中が新型コロナウイルス感染症に立ち向かう今だからこそ、アフリカに目を向けてみませんか。

日本赤十字社では、賛同してくださるパートナー企業・団体の皆さまを募集中です。また、個人の皆さまからは、NHK海外たすけあいキャンペーンを通じて、アフリカの子ども達とそのご家族を支援する本プロジェクトに参加して頂けます。(2020年12月25日まで。それ以降はYahoo Japanネット募金にて受付けております)皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

<お問い合わせはこちら>

日本赤十字社 国際部 開発協力課

産休サンキュープロジェクト担当

電話:03-3438-3111(代表)

E-mail : sankyuthankyou@jrc.or.jp