シリア、戦火の中で

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2015 年11 月に来日した、シリア赤新月社ボランティアのラワン・アブドゥルハイさん。
彼女自身も自分や兄弟の家を爆撃により破壊された紛争の被害者の一人です。
それ以前、ラワンさんは海外での活躍を夢見てシリア国内の大学で通訳の勉強をしていました。在学中に紛争が激化したため学業を中断し、現在はボランティアとしてシリア赤新月社の救護活動に従事しています。以下は、2015 年11 月 来日講演会の内容の抜粋です。

ボランティアで救急隊へ

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私がシリア赤新月社の救急隊ボランティアになったのは、2013 年ごろです。
当時、シリア国内は既に内戦状態でした。救急隊員になった時は、血を流している人や死んだ人の体を触ることができるか私は心配でした。
3 回目の出動で、爆弾が落ちた直後の現場に向かう救急車に乗りました。炎を上げて燃える中、血を流し倒れている人たちに応急処置をし、救急車に乗せ病院に搬送しました。現在も活動を続けており、今は救急隊のチームリーダーをしています。
現場では、何も感じないように感情のコントロールをして救護活動に集中しています。しかし、事務所に戻り、救急車から降りると血の臭いや、現場で本当は感じていたことなどがよみがえってきます。自分の見た光景が忘れられないことが何日も続く時もあります。

48人*の仲間の死

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私の友人であり救急隊のチームメイトの一人、モヒはもうすぐ結婚する予定の婚約者がいました。
ある日、彼は当直が終わって家に帰る途中、爆発音が聞こえたので現場に駆けつけると傷ついた人たちがたくさんいました。彼が救護活動を行っていると次の爆弾が爆発し、それに当たってしまいました。
私たち救急隊チームは現場付近まで駆けつけましたが、現場は「危険なエリア」として入ることができませんでした。ようやく近づくことが許され駆け寄った時には手遅れでした。本当にいい仲間だったのに、私たちは何もできずに彼は目の前で亡くなりました。
私たちのチームでは48 人の仲間が命を落としています。私たちの生活は、危険と隣り合わせです。でも、私は私でいるために、救護活動を続けます。

*2015年11月時点の数字。2016年10月には54人にのぼっています。

シリアを忘れないで

内戦によって、シリアは全てを失いました。今、私はシリアにいるので、できる限りのことをしています。報道機関は国内に入りにくいので、なかなか世界に情報が伝わりません。しかし、シリア国内には私たちのような普通の人が住み、大勢の人が苦しんでいることを忘れないでほしいです。

動画リンク:
https://www.youtube.com/watch?v=ORFSRpSoQxw

日本赤十字社は解決のめどが立たない紛争を踏まえ、中東人道危機救援金の受け付け期間を延長します。皆さまの温かいお心が、赤十字社(赤新月社)の活動の支えとなります。皆さまのご支援をお待ちしております。

受付期間:2015(平成27)年4月1日(水)から2017(平成29)年3月31日(金)

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