南スーダン(紛争犠牲者支援事業)

 世界で最も新しい国、南スーダン共和国。アフリカで最長ともいわれる約半世紀にわたる南北スーダン内戦を経た後、2005年に包括和平合意が成立、2011年7月に独立しました。しかし、その後2013年12月に首都ジュバで武力衝突が勃発、2015年8月に衝突解決合意を結ぶものの2016年7月に政府の体制をめぐり再び対立しました。

 2018年9月の和平合意以降も、依然武力衝突など不安定な情勢が続き、1,250万人の総人口のうち3人に1人が住むところを追われ、2人に1人が深刻な飢餓に陥り食料支援を必要としています。 また、部族間同士の争いや食料を求めた争いも起こり、情勢不安から道路などインフラの寸断や水源の汚染が起こったり、医療機関などにアクセスできない住民も多くいます。

赤十字の活動

 赤十字国際委員会(以下、ICRC)は、南スーダン赤十字社と連携し、紛争などの暴力によって犠牲を強いられている人々が国際人道法に基づききちんと支援・保護されるよう食料配付や生活の自立支援、負傷者の医療支援、避難民の保護活動、こころのケア、離散家族の再会支援・追跡調査支援、南スーダン赤十字社の緊急対応能力強化支援等を実施しています。事業規模は、中東シリアに続く2番目の大きさ。南スーダンの人道危機がいかに深刻な状態であるかを物語ります。

 日本赤十字社は、1990年、独立以前のスーダンの時代からICRCを通じて資金援助や人的貢献といった支援活動を続けています。

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ICRCから供給されたかぼちゃの種を運ぶ女性たち©ICRC

食糧支援

国内避難民や暴力を受けた人々のような最も脆弱な人々に対する食料や栄養補助食品の配付、飲料水へのアクセスの確保は、基本的な人々のニーズを満たすために必要不可欠な支援です。今後人々が自立できるよう、種子の配付など食料生産にかかる支援も行っています。

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種子の配付の前に、ICRCのスタッフが農業や栄養についてのレクチャーを実施©ICRC

安否調査・再会支援

 紛争や武力衝突によって離れ離れになってしまった家族の安否調査や再会支援もICRCの活動の一つです。ICRCは、行方が分からなくなった方の情報をより詳細に把握するため写真を入れた冊子を作成し、これを家庭訪問時に各家庭で見せながら、再会支援を続けています。この冊子のおかげで、無事に再会した家族もいます。

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ジュバで、子供に再会し笑顔を見せる母親©ICRC

医療支援

 医療施設への後方支援や技術支援、負傷者への手術や治療も実施しています。日赤はこの医療施設の支援に対して、人的な貢献を長年続けています。医療へのアクセスはまだ十分ではありませんが、小型軽飛行機やヘリコプターで田舎から運ばれてきた負傷者は、ICRCが支援する病院で、日赤をはじめ世界各地から集まった医療要員から治療を受けています。

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               手術を実施する医師と看護師(左が日本人職員)©ICRC

リハビリテーション支援

 また、紛争によって障がいを負った人々がリハビリを通して自立して生活できるようになることも、ICRCの重要な支援の一つです。リハビリテーションセンターを運営し、義肢製作などの技術的なサポートを行ったり、地元の車いすバスケットボール協会の活動を支援しています。

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            ICRCが支援するジュバのリハビリセンターで実施した車いすバスケットボール大会©ICRC

※上記情報はすべて2019年10月現在のものであること。

日本赤十字社から派遣された医師や看護師のレポートは、こちらをご覧ください