看護師等の教育とは

赤十字の看護大学・専門学校では、「人間のいのちと健康、尊厳を守る」という赤十字の使命に基づき、国内外で活躍できる看護職を養成しています。

卒業生は確実な知識と技術、赤十字の精神を身につけ、臨床現場で活躍するほか、国内の災害救護はもちろん、国際救援活動でも力を発揮しています。

看護師等の教育

日本赤十字社は世界の192の国と地域にグローバルなネットワークを持つ、人道支援機関です。紛争・災害・病気などで苦しむ人を救うため、国境も、民族も、宗教も越えて、あらゆる支援を行っています。

看護師養成は130年の歴史があり、現在、看護大学6校・看護専門学校10校で年間約1,200人の看護師を養成しており、病院・血液センター・社会福祉施設などでは約3万7,000人の看護師が働いています。
 赤十字の看護師は国内外を問わず、紛争や災害の地で救護活動を展開しており、その活動で培った災害看護を体系化し、津波被害に襲われたインドネシア・バンダアチェの看護学校に災害看護の教育プログラムを導入する活動なども行いました。

赤十字の教育施設では、豊かな人間性を育み看護に関する幅広い能力を備え、広く社会に貢献できる人材を育成しています。

看護管理者の教育

豊かな人間性を養い、組織の推進者、変革者として活躍できる看護管理者の育成を目指した継続教育機関として、日本赤十字社幹部看護師研修センターがあります。

日本看護協会の認定を受けた認定看護管理者の教育機関です。赤十字看護管理者研修I、II、IIIは日本看護協会の定めるファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの各コースに対応しています。

継続教育システム

図

日本赤十字社看護部では、平成16年に全国の赤十字病院にキャリア開発ラダーを導入する方針を示し、「赤十字施設のキャリア開発ラダー」の仕組みづくりを行いました。
 このラダー導入は、組織の理念に基づいた赤十字の看護の質向上と専門職としての看護師の職務満足の促進を主な目的としています。

看護実践者のキャリア開発ラダーは、5段階の到達目標(レベルI~V)を設定し、目標を達成するための教育研修と一対になっており、職場の上司や先輩の支援を受けながら、段階的に取り組むことができます。

また、平成21年度からは、看護管理者や国際救援活動に参加する看護師のキャリア開発のための教育も整備し、管理者ラダーは平成22年度から、国際ラダーは平成24年度から各施設での運用を始めています。

「赤十字施設のキャリア開発ラダー」の導入により、看護師個々が自分のキャリアを自分で開発できる体制を整えています。

さらに、この仕組みを活用し、赤十字のグループメリットを生かした人材育成の一環として人事交流を促進し、赤十字全体の質が向上することを期待しています。

新人看護職員研修

保健師助産師看護師法および看護師等の人材確保の促進に関する法律の改正により、平成22年4月から新人看護師の卒業後の研修が努力義務化となりました。これに先立って、厚生労働省から平成21年12月に「新人看護職員研修ガイドライン」が公表されています。

日本赤十字社でも平成23年度、赤十字の理念を基盤として、「自らをかえりみて考える」省察(せいさつ)の考え方を取り入れた「日本赤十字社の新人看護職員研修システムガイドライン」を作成しました。新人看護師だけでなく、教育する側の先輩看護師も支援し、ひとも自分も大切にする「育み育まれる組織づくり」を目指しています。

赤十字とは何か その教育の原点を問う~避難者1200人を支えた看護学生

 日本赤十字社は、教育施設で唯一被災した石巻赤十字看護専門学校(宮城県石巻市)の学生による救護活動を記録し、赤十字の看護教育を継承するためのDVDを2012年6月に作成しました。本DVDは作成当時から現在まで、各地の看護学校における災害看護の教材などとして幅広く閲覧されております。

 東日本大震災の大津波により、壊滅的な被害を受けた同校の学生・教職員たちは近隣の小学校に避難しましたが、そこで直面したのは教室にあふれんばかりの避難者たちでした。学生・教職員は救助が来るまでの数日間、水も物資もない環境で、持てる限りの技能と知識、赤十字の看護学生という使命感により、負傷者の手当てなどに奮闘しました。

 日本赤十字社は1890(明治23)年から、「人道」を基盤とした看護師の養成を開始し、災害時の救護要請に応えるため、特に「災害看護教育」に熱心に取り組んできました。九死に一生を得ながらも、こうした日ごろの学びを実践に移した学生の行動は、まさに「いかなる状況下でも、人間のいのちと健康、尊厳を守る」赤十字の理念のあらわれといえます。本DVDは、災害への脅威と関心が高まっている現在、社会の自助・共助・公助力の強化に向けて、看護・医療専門職の方にはもちろん、広く市民の皆さまには日ごろから備えていただきたい災害時の心得や、心の中にある「苦しんでいる人を救いたい」という思いの重要性について、再確認していただける作品となっています。

作品紹介

作品名 赤十字とは何か その教育の原点を問う
仕 様 DVD(テロップあり)
時 間 22分45秒
内 容

〇3.11赤十字看護学生の救護活動 

(学生・教職員へのインタビュー、現地取材映像ほか一部再現VTRあり

DVD_image.jpg

〇赤十字教育施設での災害救護訓練

※DVDの閲覧を希望される方は申込書をダウンロードの上、必要事項をご記入いただき、下記までお送りください。(郵送もしくはメールにてお申込みください)なお、本DVDは貸出しとなりますので、必ずご返却くださいますようお願い申し上げます。

閲覧申込書

DVD貸出しに関するお問い合わせ先

〒105-8521 東京都港区芝大門1-1-3

日本赤十字社 医療事業推進本部 看護部 教育研修課

TEL:03-3437-7518

Eメール:kango-kyouiku@jrc.or.jp