録音図書製作活動が全国表彰受賞~札幌市音訳赤十字奉仕団~

 公益財団法人鉄道弘済会と社会福祉法人日本盲人福祉委員会が主催し、視覚障害者用録音図書に関する奉仕活動の充実、発展を願って例年奉仕者を表彰している「第50回記念 朗読録音奉仕者感謝行事」にて、この度、札幌市音訳赤十字奉仕団の佐藤 洋子さんが「DAISY編集奉仕者全国表彰」を受賞しました。また、同団から篠原 千賀子さんが朗読録音区分、蝦名 依子さんが校正区分にて北海道地区表彰を受賞しました。

 今回は、録音図書の製作やDAISY編集奉仕者全国表彰を受賞された佐藤さんの活動について、ご紹介します。

耳で読む本「録音図書」

 みなさんは、「録音図書」をご存知でしょうか?
 耳で聴いて読書できるように朗読された(音声を収録した)ものが「録音図書」です。

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録音図書専用の再生機器(プレクストーク)

 録音図書は、以下3つの作業を経て製作されています。

 「朗読録音」
  図書を読み上げ、録音する
 「校  正」
  録音した音声データの誤読等を確認する
 「DAISY編集」
録音された内容を章や節で分け見出しを付けたり、ページをつける等の編集を行う ※

 

 

 今回受賞された3名が所属する札幌市音訳赤十字奉仕団をはじめ、いくつかの特殊奉仕団で録音図書の製作を行っています。

 ※DAISY:Digital Accessible Information System(アクセシブルな情報システム)の略。
視覚障害等で活字を読むことが困難な方のために製作される、デジタル録音図書の国際標準規格のこと。CD1枚におよそ60時間もの録音ができ、専用の再生機器(プレクストーク)やパソコンに専用のソフトウェアをインストールして再生することができる。DAISY編集をすることによって、利用者が章や見出しごとに移動や、しおりをつける等、図書を利用しやすくなっている。

自分の好きな読書を、視覚障害者にも楽しんでほしい

 今回受賞された佐藤さんは、平成24年にDAISY編集、平成25年に校正区分、平成26年に朗読録音区分の北海道地区表彰を受賞されています。録音図書の様々な活動に長けていらっしゃる佐藤さんに、活動のきっかけから現在の活動に対する思いまで、伺ってみました。

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札幌市音訳赤十字奉仕団の佐藤 洋子さん

録音図書の製作を始めたきっかけ
 音訳を始めたきっかけは、読書が好きだったことです。あるとき、新聞で音訳ボランティア養成講座のことを知り、「自分の好きなことをしてボランティアができるとは、なんていいこと!」と思い、応募しました。

活動について
 一緒に活動している仲間と楽しく取り組めていることが活動の継続につながっています。年に3~4回は講師から指導いただき、より良い活動に向けてブラッシュアップしています。
 また、自宅でも録音や校正の作業を行っていますが、家族の理解もあって活動が続けられています。
 
活動に対する思い
 利用者へ話しかけるように音訳することを心掛けて活動しています。音訳を始めてから25年たった今も、視覚障害者にも小説などを楽しんでほしいと思っています。

日赤職員から見た佐藤さん

 札幌市音訳赤十字奉仕団が日頃活動している、日本赤十字社北海道支部点字図書センター職員 岩間さんから、佐藤さんについて話を伺いました。

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日本赤十字社北海道支部点字図書センターの書架

佐藤さんの製作する録音図書
 読者が聞きやすい録音図書を製作する際に重要とされている「情報を伝える、感情移入しない、間を取る、イントネーションに注意する」という部分について、佐藤さんはとても意識されていると思います。また、DAISY編集は技術が必要なので、朗読録音と校正に加えてDAISY編集までマルチに活動でき、どの作業においても素晴らしい技術を持っている佐藤さんは、貴重な人材です。

 

団内でも頼られる存在
 佐藤さんは、委員長ではありませんが、技術的な面でとてもリーダーシップをとってくれていて、団員へ指導しています。また、団員に何か困ったことがあれば、相談に乗ってくれていて、とても頼もしいです。

全国に広がる視覚障害者援助の活動

 全国の61団の赤十字奉仕団、約2,700人のボランティアが視覚障害者を援助する活動を行っています。(令和2年3月31日現在)

 視覚障害者向けの「拡大写本」と「防災教育」に関する活動についてもご紹介していますので、以下URLからご覧ください。
http://www.jrc.or.jp/activity/volunteer/news/200904_006376.html