(速報6)フィリピン中部台風 ~赤十字の支援を集結させて~

救援物資を届ける松永要員

救援物資を届ける松永要員(左)©IFRC

フィリピン中部を直撃した台風30号(英語名:Haiyan)の被災者の救援のために活動している、国際赤十字と各国赤十字社の動きをお伝えします。

フィリピン赤十字社の救援活動に対して、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)の調整の下で日本赤十字社を含む各国赤十字社が、それぞれの強みを活かして支援を行っています。

フィリピン赤十字社の活動

セブ島、レイテ島タクロバン、パナイ島に調査チームを派遣しています。避難所とフィリピン赤十字社の支部で安否調査とこころのケアを行っているほか、避難所では8000人に温かい食事を提供しています。

さらに、3535個の救援物資(食糧)を配付し、給水車をレイテ島に配車しました。引き続きオランダ赤十字社とともに7000個の衛生キットの配付、ドイツ赤十字社とともに750個の衛生キットと1000個の給水用ポリタンクの配付を準備しています。

国際赤十字・赤新月社連盟と各国赤十字社の活動

フィールド調査・調整チーム(FACT)が派遣され、更に小規模な調査チームをレイテ島オルモック、パナイ島イロイロ、セブ島北部に派遣しています。パナイ島アクランでの調査は完了しています。

救援物資の配布を担当するために派遣された松永要員は16日、セブ島北部のメデリンで500世帯に対して衛生キット・ビニールシート・給水用ポリタンクを配付しました。12日には連盟が、この救援活動のために78億2000万円以上の緊急アピールを発表し、支援を呼びかけています。日本赤十字社はこれに応えて1000万円の拠出を決定しています。

連盟の調整の下で以下のとおり、各国赤十字社が各分野で活躍しています。

イギリス赤十字社のロジスティクス(物流)ERU(緊急対応ユニット)は既にセブ空港から12キロメートル離れた場所に拠点倉庫を設置。アメリカ赤十字社とデンマーク赤十字社のIT通信ERUにより通信アクセスを確立し、資機材と救援物資を受け入れています。

レイテ島タクロバン市に入っているスペイン赤十字社の報告によると、35キロメートル離れたダムからの給水パイプに破損があり、給水設備を稼働させる燃料も不足していている状況です。

  • 基礎保健ERU
    (基礎保健、診療所などを設置しての基本的な医療、母子保健、予防接種など):
    日本赤十字社、カナダ赤十字社、ノルウェー赤十字社
  • ロジスティクス(物流)ERU
    (救援物資の調達・保管や救援資機材の輸送):
    イギリス赤十字社、フィンランド赤十字社、デンマーク赤十字社
  • IT通信ERU(現地での通信環境の整備):
    アメリカ赤十字社、デンマーク赤十字社
  • 給水・衛生ERU
    (生活用水や保健医療活動に必要な水の提供、トイレの設置や下水処理など):
    スペイン赤十字社、オーストリア赤十字社、スウェーデン赤十字社、ドイツ赤十字社
  • 救援ERU(受益者の登録および救援物資の配付):
    アメリカ赤十字社、フランス赤十字社、ベネルクス
    (ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)の赤十字社
  • ベースキャンプ(各国赤十字社のERU要員向け宿泊地、事務所、キッチン、トイレなどの提供):
    デンマーク赤十字社(必要性を調査中)

日本赤十字社の活動

ニーズを探り今後の活動について協議する大津医師

ニーズを探り今後の活動について協議する大津医師(右)

基礎保健ERUチームを派遣し、現在は現地のニーズと治安状況を考慮して診療所の開設場所を選定しているところです。

医療器具などの資機材は19日にセブ到着予定で、現在は第一班がセブ島北部の調査を行っています。

チームリーダーの大津医師によると、外傷(けが)を原因とした化膿や感染、呼吸器系の疾患(風邪など)や下痢などの症状が報告されている一方、従来からあるデング熱の感染拡大や住血吸虫(じゅうけつきょうちゅう;寄生虫を媒体とした感染症)の増加が懸念される状況です。また、妊婦の出産やこころのケアに対しても懸念があります。

こうしたニーズを適切に把握し、地域に密着した息の長い支援活動を行っていく必要があります。(「(速報5)フィリピン中部台風~追加メンバーを派遣」でお知らせしました佐々木秀幸要員の派遣は見合わせとなりました)

赤十字国際委員会の活動

赤十字国際委員会(以下、ICRC)がサマール島での救援活動に本格的に取り組みはじめたことに伴い、フィリピンで最も早く台風が接近したこの地域の壊滅的な状況とニーズが明らかになってきました。

ICRCは長引く紛争に対して活動を続けてきたこの島に、まずは支援を集中する予定でおり、フィリピン赤十字社や国際赤十字・赤新月運動のパートナーとともに24時間体制で支援物資をできるだけ早く人々に届けるように活動しています。

ICRCは3万6000世帯に3カ月間の支援をするために約15億7000万円(1500万スイスフラン)の緊急支援を要請。日本赤十字社はこの緊急アピールに対し、1000万円の拠出を決定しています。

被災地での救援活動を支援するために、皆さまからの救援金を受付けています。温かいご支援をお願いいたします。

安否調査

日本政府の発表によると16日現在、レイテ島とサマール島に住む日本人133人のうち新たに34人と連絡が取れ、計92人の無事が確認されました。引き続き41人の安否を調査中です。

フィリピン赤十字社には各国から2万5000件を超える安否のお問い合わせがあり、多くの人が愛する人を心配しています。

日本赤十字社には、安否調査の受け付け開始から20件のお問い合わせがあり(17日午後1時現在)、そのうち8件はご依頼主により安全が確認されました。

お問い合わせ方法はこちらをご覧ください。