フィリピン中部台風 ~2カ月後の現地、復興に向かって~

住民に対する傷の洗浄の講習

住民に対する傷の洗浄の講習

11月8日にフィリピン中部を直撃した台風30号(英語名:Haiyan)。甚大な被害に対する救援活動を始めて、早くも2カ月が経過しました。

日本赤十字社(以下、日赤)は現地のニーズに基づき、引き続き活動しています。

地域の医療を支える活動

緊急救援期から復興期に向かい、日赤の保健医療チームは巡回診療と地域保健活動を強化しています。

訪問する村を増加した巡回診療では、例えば患者さんの血圧を測った上で高血圧であると判明した場合は、現地の医師の診察を受け、必要ならば定期的に服薬するように現地の言葉で勧めます。現地の方の行動変容を促すことで、高血圧が発症率を高めるとされる脳卒中などの疾患の予防につなげています。

訪問した村での地域保健活動では、住民に対して傷の洗浄、手洗い、こころのケアの方法を指導しています。日赤のスタッフは、必要な指導を行いながらも補助的な役割に回り、将来にわたって現地のスタッフが活動を継続することができるように支援しています。

保健医療チーム第2班が帰国

火傷の治療を受けた女の子と杉本医師

火傷の治療を受けた女の子と杉本医師

12月17日から約1カ月にわたり現地で活動に当たった日赤の保健医療チーム第2班が帰国し、報告会を行いました。

第2班の活動や現地の状況についてチームリーダーである杉本医師は、次のように振り返りました。

「コミュニティーがしっかりと形成されているため、地元の看護師は誰がどこに住んでいてどういう状態かということを知っています。現地の医療スタッフは、臨床経験は少ないですが処置と看護業務を学ぼうと意欲的です。

また助け合いの精神があり、家が飛ばされてしまっても、明るくボランティアをする方もいらっしゃいます。

こころのケアについては、活動中に『大事なものを描いて』と言った際に、絵の中に赤十字を描いてくれる子どももいました。

現地では直接的に感謝の気持ちを伝えてくれる方が多く、やりがいを感じました。中でも足に火傷を負った4歳の女の子を何度も治療したことが印象に残っています」

地域の診療所の修復

現地では住宅の再建をはじめ、復興に向けた動きが各所で進められています。日赤が活動するセブ島北部でも、「クリスマスまでに電気を復旧させたい」と地元の電力会社などが尽力しました。

日赤は、台風により破壊されたマヤ村の診療所の屋根と天井の修復工事を始めました。電気系統に障害があり、医薬品を適切に管理するためにも早急な作業が必要です。この診療所には助産師がおり、台風前は住民の出産にも対応していました。修復工事を一日も早く完了し診療所が再開することで、村の人々の健康が守られていくように活動を続けています。

東日本大震災では、フィリピンから約1.6億円の救援金が寄せられました。その恩返しの意味も込めて、現地では引き続き日赤保健医療チーム第3班が活動に当たっています。

皆さまの温かいご支援をお願いいたします。