(速報)南アジア 豪雨により、洪水や地滑りが多発

南アジア洪水の被災地

南アジアでは、モンスーン期の激しい雨による洪水、地滑りなどが多発し、バングラデシュ、ネパール、インド、パキスタンでは、何百万の人びとが被災しています。

バングラデシュでは、日本赤十字社が支援した給水・衛生災害対応キットを使用し、トレーニングを受けたスタッフやボランティアが活動しています。

また、国際赤十字も被災各国の赤十字社とともに救援活動を行い、復興も支援していきます。

バングラデシュ:日赤の給水・衛生支援で被災者のいのちを守る

バングラディシュ赤による緊急救援物資の配給

バングラディシュ赤による緊急救援物資の配給

モンスーン期に毎年洪水が発生するバングラデシュ。今年は2007年の大洪水に次ぐ大規模な被害を被りました。

北部河川流域にある20県で約300万人が被災。住宅約3万4000軒が破壊され、20万件が被害を受けました。現在も約32万人が避難生活を続けています。

バングラデシュ赤新月社(イスラム圏の赤十字社。以下、バングラデシュ赤)のスタッフとボランティア約150人が約2万人を対象に緊急救援と医療を提供しています。また、給水・衛生災害対応チームも出動しました。

このチームは日赤が支援したキットを使い、人びとに安全な水を供給。トイレなどの衛生設備を設置するとともに衛生についての指導も行っています。

メンバーは日赤が行ったトレーニングを修了したスタッフやボランティアです。 はんらんした河川の水は、ほぼ引いてきましたが、人びとの暮らしが元に戻り、今後の災害に備えるためには、まだ多くの時間がかかります。

ネパール:日赤のトレーニングを受けたスタッフが衛生管理で活躍

地滑りの起きた被災地で調査を行うネパール赤スタッフ

地滑りの起きた被災地で調査を行うネパール赤スタッフ。土砂によりせき止湖ができ、さらに被害が大きくなる可能性もあるため、慎重に状況を調べます

ネパールは2008年の大洪水を上回る被害を被っています。

8月初旬、約110人が死亡、約160人が行方不明となる多数の地滑りが発生。豪雨はその後も続き、国中で地滑り、洪水が多発。

現在の被災者は約13万人、住宅約8000軒が破壊され、約2万軒が被害を受けました。

ネパール赤十字社(以下、ネパール赤)は被災直後から、被災状況調査や救援活動を実施。約100人のボランティアと約40人のスタッフが、災害救援チームや地方の緊急災害対応チームのメンバーとして活動しています。

ネパール赤には、政府や関係機関から、衛生管理の中核を担うことを期待されており、日赤の支援で給水・衛生災害支援トレーニングを受けたスタッフやボランティアが被災地の人びとの衛生状態を守るために活躍しています。

ネパール赤は国際赤十字の支援を受けながら、5000世帯に水や住居補修キットなどを配布。日赤も国際赤十字の要請を受け、約900万円を拠出しました。これまでにない規模で発生した地滑り被害。復興のため、さらなる支援が必要となります。

パキスタン:迅速な災害情報提供と被災状況に応じた支援の実施

パキスタン北東部のパンジャブ州、アザド・ジャンムー・カシミールとギルギット・バルティスタン州では豪雨により河川がはんらんし、鉄砲水が発生。これまでに約190人が死亡、約2万8000人が被災しました。

パキスタン赤新月社(以下、パキスタン赤)は、降雨が始まった当初からモニタリングや調査を行っており、被災地の支部と連携しながら迅速に支援物資を配布しています。また、被災情報などを定期的にホームページに掲載し、情報提供に努めています。

パキスタン赤は調査結果に基づき、最も支援が必要と判断される5000世帯に、食料や生活に必要な救援物資、保健医療、テントなどを提供する予定です。

インド:過去60年で最大の洪水被害

シュリーナガルにインド赤の救急救援チームが到着。水の中、負傷者の救援に向かいます

シュリーナガルにインド赤の救急救援チームが到着。水の中、負傷者の救援に向かいます

インド北東部のジャンムー・カシミール州では、約150人が死亡、数千人が水に囲まれ孤立しています。

インド赤十字社(以下、インド赤)は、被害の大きい同州のシュリーナガルで、孤立した人びとの救援や支援物資の配布を行っています。

これまでに孤立していた約1万5,000人を救助、また、テントや毛布、キッチンセット、ビニールシートなどを空輸し配布しました。

今後も被災地で水に囲まれ、動きが取れなくなっている人びとを救助し、支援物資の配布などを行っていきます。

日赤は、今回被災した各国の赤十字社や国際赤十字と連携しながら支援を続けていきます。

水害後の生活で、最も危惧されるのは、汚染された水を媒介とする感染症などのまん延です。日赤がバングラデシュ、ネパールに支援した給水・衛生災害対応キットを使うことで、赤十字スタッフやボランティアは、人びとに安全な水を提供でき、衛生確保のために簡易トイレも設置できます。

また、経験を積んだ日赤職員を現地に派遣し、衛生管理のためのトレーニングを事前に行うことで、スタッフやボランティアは、災害時に落ち着いて活動することができます。

日赤は今後も水害の多発するアジア大洋州地域で、キットの配備、スタッフやボランティアへのトレーニングを実施し、災害対応への支援を行っていきます。

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