第47回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式

2019年8月7日 於:東京プリンスホテル

先駆的な取り組みに挑戦する 二人の看護師へ、皇后陛下より 看護師最高の栄誉の記章を授与

8月7日、東京・港区の東京プリンスホテルにて、世界中の看護師にとって最高の栄誉である「フローレンス・ナイチンゲール記章」の授与式が行われました。日本赤十字社名誉総裁の皇后陛下、名誉副総裁の秋篠宮皇嗣妃殿下、常陸宮妃殿下、寬仁親王妃信子殿下、高円宮妃殿下ご臨席の下、皇后陛下より受章者の日本赤十字社看護師同方会理事長の竹下喜久子さん、マギーズ東京共同代表理事・センター長の秋山正子さんに、記章が授与されました。

赤十字看護専門学校生によるキャンドルサービス

「フローレンス・ナイチンゲール記章」は、近代看護を確立したナイチンゲールの功績を記念して1920年に創設された記章です。紛争や災害時の看護活動、公衆衛生や看護教育などに多大な貢献をした世界各国の看護師などの中から、2年に一度、赤十字国際委員会の選考によって受章者が決定されます。日本人の受章者は今回のお二人を含め110人で世界最多。竹下さん、秋山さんのお二人は、この輝かしい記章を、名誉総裁として初めて授与式に臨まれた皇后陛下から、直接、胸にお付けいただきました。

式典の中で日本赤十字社大塚義治社長はお二人の先進的な取り組みと、それがもたらした多くの成果をたたえました。竹下さんは、インドネシア共和国の看護学校への災害看護教育の導入支援、東日本大震災での病院支援、避難所で避難生活を送る高齢者や乳幼児を抱える方への長期ケア活動が、また、秋山さんは、誰でも気軽に立ち寄れる地域の健康よろず相談室や、がん患者を受け入れる相談センターを開設するなどの取り組みが評価され、今回の受章となりました。受章の感想として、竹下さんは「とても感激しました。共に仕事をし、支えてくださった皆さんと一緒に授与された記章だと感じます」と述べました。

 また、今回の式典では、長岡赤十字看護専門学校生、諏訪赤十字看護専門学校生によるキャンドルサービスが行われ、会場全体が厳粛な雰囲気に包まれました。

ナイチンゲール記章 受章者のあゆみ

竹下喜久子(たけしたきくこ)さん

2004年、インドネシア・スマトラ島沖で発生した地震と津波により壊滅的な被害を受けたインドネシア共和国で、竹下さんは同国アチェ州の看護学校に対し災害看護教育の導入を支援。災害看護の概念のなかった同国で、看護師が自立した救護活動ができるよう尽力しました。

 2007年に導入された、日本赤十字社において看護師のキャリア開発の指標となる「キャリア開発ラダー」の整備・導入にも大きく貢献しています。

 東日本大震災の際には、日本赤十字社の本社看護部長として、被害の大きかった石巻エリアの医療を一手に担っていた石巻赤十字病院に全国から看護師を派遣。同院の災害医療体制維持に大きく貢献しました。また、日本赤十字社の長い災害救護活動の歴史の中で初めて、避難生活が長引く被災者への生活支援、慢性疾患増悪予防の観点から「看護ケア班」を編成。保健指導や高齢者ケアなど幅広い活動を行いました。

秋山正子(あきやままさこ)さん

25年以上、訪問看護ステーションを運営してきた秋山さん。療養者の尊厳を大切に、本人の希望に沿った看護を実施。患者本人を支える家族にも寄り添い、近隣や友人のネットワークを構築しながら質の高い訪問看護を展開しています。また、「誰でも、予約なしで、無料で気軽に」立ち寄ることのできる「暮らしの保健室」を設立。地域住民が健康について相談できる場を作る活動は、全国に広がりを見せています。さらには、全国のがん患者やその家族への支援活動として、家庭的でくつろげる雰囲気の中、看護師や心理士が相談に乗り、がん患者が生きる力を取り戻すことを目的とした場である英国のマギーズがんケアリングセンターの日本版「マギーズ東京」を開設。同施設には3年間で1万7千人の相談件数がありました。

この記事は赤十字NEWS 2019年9月号の掲載内容をオンライン用に編集したものです。
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