【新年のご挨拶】日本赤十字社社長 大塚義治

変化する世界、新たな挑戦

昨年の新年のご挨拶(あいさつ)で私は、「時代の変化はますます加速し、我々が取り組むべき課題はさらに広がりを見せています」と申し上げました。
 しかし、日本や世界が、未知の感染症によってこれほど大きな影響を受け、急激に変容することになろうとは想像もできませんでした。
 新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方は世界では膨大な数にのぼりますが、人々の生活や経済に与えたダメージも計り知れないものがあります。何より憂慮されるのは、社会における「分断」が拡大したことだとも言われ、もしそうであるならば、私たちが取り組まなければならない新たな課題が生まれていることを意味しているのかもしれません。
 この新型感染症に対しても、日赤は全力で、総力を傾けて戦ってきました。昨年2月の横浜港クルーズ船内への医療救護班派遣に始まり、急増する感染者に対する医療の確保、そしてさらに、ウイルスがもたらす不安・偏見・差別をなくすための啓発活動へと広がりました。
 特に、極度に緊迫した状況が続く中で、人々の命を守り、地域の医療を支えるために奮闘する全国の赤十字病院の医療スタッフに、私は繰り返し、感謝と敬意を表したいと思います。
 また、血液事業は一刻たりとも業務の停止は許されず、日赤はその大きな責任を一身に担っています。そのために日々奔走する関係職員ももちろん、その他の事業や活動にエッセンシャルワーカーとして従事する日赤職員についても、私は心からのエールを送るものです。
 これらの活動に対しては、日本全国から、温かい励ましのお言葉や、さまざまな形でのご支援をいただきました。日赤のスタッフの頑張りを、見守り、応援してくださるたくさんの方々がいる……。そのことが、第一線のスタッフにどれほどの勇気を与えたことでしょう。感謝の思いは、とても言葉で言い尽くせません。
 赤十字は「救うを託されている」団体です。どんな社会の変化にも、どんな課題にも、柔軟に対応していかなければなりません。
 我々の新しい挑戦が始まります。
 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

この記事は赤十字NEWS 2021年1月号の掲載内容をオンライン用に編集したものです。
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