赤十字 名所紀行 vol.3 ニッポンの赤十字ゆかりの地を巡る

明治後期の面影を今も残す貴重な資料館

正面玄関を入ってすぐ伊藤博文の書が出迎える

平成20年4月1日に、日赤長野県支部に併設する形で開館した長野県赤十字歴史資料館。現存する日本赤十字社の支部事務所の中で最古といわれる建物です。建物の完成から100年以上が経過した「旧長野支部事務所・看護婦養成所」を取り壊す際に、「救護看護婦」を戦地へと送り出した「正面玄関」と「支部長室」を改修・保存。これらの建物の屋根瓦やガラス窓などを活用し、建設当時の姿をできる限り復元しています。

館内には、同支部が保存している、初代内閣総理大臣伊藤博文侯の書「十字赤章」(明治32年)や初代総裁小松宮彰仁親王の書「仁義」(明治34年)、赤十字の礎を築いた救護看護婦の遺品など、赤十字の歴史を語るうえで極めて貴重な資料の数々が展示され、先人の偉功を今に伝えています。開館から10年余り、毎年多くの方が訪れていましたが、コロナ禍により来館者数は激減。そんな中でも、案内ボランティアや館内清掃を行う長野県赤十字広報奉仕団などに協力してもらい、感染対策を施して、来館者をお待ちしています。