「家族で避難」 水害発生時のシミュレーション

令和3年5月20日から市町村が発表する「避難勧告」が廃止になり「避難指示」に一本化されました。今回は新しい避難情報について確認しながら、実際の事例を参考に、家族で避難する際のお役立ち情報をお届けします。

出典:内閣府ホームページ(https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/)

毎年発生している「大雨災害」で、避難のタイミングを誤り、逃げ遅れてしまうことがないように、自治体の発令する避難情報に注意しながら早め早めの避難行動をとることが重要です。とくに高齢者や小さい子どもがいる場合の避難や、家族同然の「ペット」がいる家庭の避難についても、あらかじめ備えておくことが大切。架空の家族の行動から、避難のポイントを見てみましょう。

【シミュレーションの家族構成】
夫婦30代/子ども5歳程度/祖父母65歳以上

ペットの同行避難が可能な避難所もあります

家族同然のペットを放っておけず、逃げ遅れてしまう方や、ペットを家に残して一時的に避難したことを後悔し、ペットを助けようと危険を冒す方がいます。東日本大震災以降、環境省はペットとの同行避難を推奨し、各地方自治体にも避難所でのペット受け入れの整備を呼び掛けています。飼い主は普段からペットと避難するための備えをし、居住地の行政に同行避難の際の注意事項や受け入れ可能な避難先の確認をしておきましょう。

ペットの災害対策(環境省)》https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html

「長靴で避難」は危険です

大雨が降っている時の避難は、長靴ではなく履きなれた運動靴や紐靴(ひもぐつ)で。もしも避難中に長靴の高さよりも水位が上がってきたら、長靴の中は水バケツ状態に。重たくて足が動かしづらく、かえって危険です。また、サンダルなどの脱げやすい靴もNGです。歩きながら靴が脱げて流され、靴なしで歩く危険な状態になります。

避難所でのストレスを減らす工夫を

小さな子どもは慣れない避難所で強いストレスを感じ、ぐずったり、赤ちゃん返りしてしまう子もいます。子どもが安心できるもの、楽しめるものを用意しましょう(遊ぶ際には音や光で周囲に迷惑を掛けないように気を付けましょう)。また、家族の健康を守り、感染への不安を減らすため、感染予防グッズもご用意を。

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避難所でトイレが使えない!

地震や水害では、上下水道のトラブルで避難所のトイレが使えなくなったり、汚れすぎていたり、トイレが詰まって使用禁止になることがあります。避難袋に「携帯トイレ」を常備し、持参しましょう。市販の携帯トイレがオススメですが、最悪の場合は丸めた新聞を入れたビニール袋などでも代用できます。また、持病の薬を持たずに避難して後で困る方も多く、一人一人の必需品やその予備などを避難袋に用意しましょう。

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在宅避難が可能な「3つの条件」

屋内の安全確保ができていれば、浸水の危険があっても避難所などへ移動せず自宅にとどまることが可能です。そのためには、ハザードマップで以下の「3つの条件」を確認しておきましょう。
(1) 「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っていない
(2) 浸水深より居室が高い位置にある
(3) 水がひくまで我慢でき、水・食料などの備えが十分ある
※ハザードマップへの記載がない場合は居住地の市町村へ問い合わせを

全国で開催 赤十字防災セミナー

各都道府県支部が実施する「赤十字防災セミナー」では、災害時に予想される被害や救助活動、避難生活などの課題を具体的にイメージしながら、命を守る方法をそれぞれの地域に密着した形で学ぶことができます。カリキュラムの1つ「災害への備え」には、昨年の豪雨災害の経験をもとに、熊本赤十字病院が監修した「感染症から身を守る」という項目も追加されました。コロナ禍で避難生活をするうえで必要な情報が盛り込まれています。

詳細》https://www.jrc.or.jp/saigai/about/seminar/


※赤十字防災セミナー開催状況等の詳細については、最寄りの各都道府県支部へお問い合わせください