赤十字名所紀行:「命の砦」石巻赤十字病院の赤十字旗(宮城県石巻市) ニッポンの赤十字ゆかりの地を巡る Vol.12
東日本大震災における医療活動の奮闘がにじむ、
擦り切れた赤十字旗
2011年3月11日、未曽有の大災害となった東日本大震災。
大津波の被害も広範囲に及び、自然災害としては戦後最多の犠牲者を出しました。
住民の避難生活も長期にわたる中、日赤は医療救護や支援物資の配分、心のケア、ボランティア活動などに総力を挙げて取り組みました。中でも石巻市では、周囲の医療機関だけでなく、市役所も被災してしまったため、石巻赤十字病院が地域の医療を一手に担うとともに、公衆衛生や福祉など、本来ならば行政が行う活動をも引き受け、まさに「命の砦」となりました。
地震発生から1カ月間、病院前に掲げられ続けていた赤十字旗。雨や雪、強風などで擦り切れた痛々しい姿に、野戦病院さながらの当時の医療活動の様子が重なります。