赤十字はじめて物語 【 Vol.2 看護師教育 】 日本赤十字社の9つの事業 その出発点にはそれぞれの「はじまり」のストーリーがありました。

救護の前線に、赤十字精神を育んだ看護婦を

初の全国統一の看護婦養成教本「看護学教程」

 5月12日はナイチンゲールの誕生日、そして「看護の日」です。アンリー・デュナンは、その著者「ソルフェリーノの思い出」の中で、クリミア戦争におけるナイチンゲールの活躍をたたえ、訓練された看護人を確保する重要性を訴えました。この提言は、アンリー・デュナンらが赤十字を創設する際に重要なテーマとなり、初期の赤十字国際会議でも議題に上りました。佐野常民率いる博愛社(日赤の前身)はその考えにならい、いざというときの人員確保と救護員(看護婦)の養成のために病院を設置します。

 1889年、日赤は看護婦養成規則を制定して、看護法・救急法・治療介補などの専門教育を開始。 それから2年後の1891年、濃尾地震が発生します。被災地には医師や事務員のほか、1年半の修学を終えて実務実習についたばかりの第1回生の看護婦10人を含む20人の看護婦が派遣され、被災者の救護活動にあたりました。

「看護学教程」は1896(明治29)年に日赤が発行。「温和にして患者を慰撫(いぶ)すること」など10カ条の教えが記されています。特設サイトでより詳しく読めます!