【献血まるわかり辞典】vol.3「採血針」 「なるほど!」と思わずひざを打つ“献血にまつわる豆知識“を紹介。第3回のテーマは先端部分に大きな秘密がある「針」です。
するりと入り込んで、ストレスなし!
知られざる「針先」のヒミツ
針の太さはG(ゲージ)という単位で表されます。海外で使用される全血献血用の針は、ほぼ爪楊枝と同じ太さの16G。日赤では一段階細い17G(外径1.4mm)を使っていましたが、数年前からはさらに細くなり18G(1.2mm)を採用しています。
世界的に見ても細い針で、針先が挿入される際の切開部を小さくするだけでなく、献血者の恐怖心の軽減にも配慮しています。針の先端部分は、“刺す”というよりも刃物のような鋭さで小さく切り開き、するりと皮下に入り込む形状。皮膚への引っかかりを感じさせない設計として2段階になっている角度にもコダワリがあります。安全面の配慮では、先端の刃面が長いと挿入時に血管を傷つけてしまう恐れがあるため、刃面の短いタイプを採用しています。
一方で、針は細くなりましたが細いストローで大量のジュースを早く飲むのが難しいように、献血でも細い針では抵抗が増して採血のスピードが落ちてしまうという問題がありました。そこで、針自体の長さを少し短くし、針先端部に開口部「バックアイ」を設置。針が短くなったことで抵抗が減り、バックアイのおかげで針先から取り入れる血液量が増えた上に、血管壁に針の背面がピタッと張り付く現象がなくなりました。献血時間も短くなり、献血者の方の負担も軽くなっています。このように最新の採血針は、革新的な進歩を遂げているのです。
(※今回ご紹介したのは日赤で採用している針の一つであるテルモ社製の針の特徴です。)