赤十字はじめて物語【Vol.6 講習事業】 日本赤十字社の9つの事業 その出発点にはそれぞれの「はじまり」のストーリーがありました。
戦時のみならず、
平時の保健・衛生問題への
取り組みを開始
世界各国で実施される赤十字の講習事業。その誕生のきっかけは第一次世界大戦終結後に誕生した「赤十字社連盟」設立にまでさかのぼります。
1919年5月、各国赤十字社の国際的連合体として赤十字社連盟(後の国際赤十字・赤新月社連盟:IFRC)が設立。1863年創設の赤十字国際委員会(ICRC)が、戦争・紛争の犠牲者の保護と救援を使命としているのに対し、連盟は、戦時ではない平時の赤十字事業として、災害や感染症などに対応する活動を使命に掲げました。その一環として保健・衛生上の問題を改善させる講習事業を奨励したのです。
日赤では1920年の第1回赤十字社連盟総会後、誰もが参加できる講習会をスタート。当初は「衛生講習会」として健康教育や保健指導が行われ、後に救急法と家庭看護法(現在の健康生活支援講習)が加わりました。
健康や安全を目的とした講習は時代の流れや社会のニーズの変化とともに進化し、現代に引き継がれています。