赤十字はじめて物語【vol.7 社会福祉事業】 日本赤十字社の9つの事業 その出発点にはそれぞれの「はじまり」のストーリーがありました。
児童の結核予防から始まった日赤の社会福祉事業
結核は、明治時代から昭和20年代まで「国民病」「亡国病」として恐れられていました。
1907年にロンドンで開催された第8回赤十字国際会議での決議を受け、日赤では、多くの人々の命を奪った結核の予防・撲滅を目指して取り組みを開始。全国各地に結核専門病院を開設し、1914年には京都支部が体の弱い児童を対象に天の橋立海岸で夏季児童保養所を開きました。結核を予防するため、健康の増進を目指したものでしたが、児童を対象とした結核予防活動は当時としては珍しく、後の社会福祉事業の先駆けともいえる取り組みでした。
結核の有効な治療薬が開発されて死亡率が低下してからは、日赤結核病院の多くは今の日赤病院へと発展。現在、日赤の社会福祉事業としては、乳児院や老人ホーム、障害者福祉施設など計28の施設を運営し、社会的支援が必要な方々に寄り添い、支える活動を続けています。