赤十字はじめて物語【vol.4 血液事業】
相互扶助の精神に基づく「献血」 日赤の血液事業のはじまり
1948年の赤十字国際会議において「血液事業に関する赤十字の役割」が提唱されると、各国は続々と血液事業に乗り出しました。そして1952年、日赤は血液事業を開始。当時の日本では、戦後の混沌(こんとん)とした社会状況下の「売血」による供血が主流となっており、それに伴うさまざまな弊害が社会問題となりつつありました。
金銭的な動機による供血には、ウイルス感染の危険度の高いものが多く含まれていました。また、供血者自身が持病を隠していたり、生活の糧を得るための頻繁な供血によって健康を害したりする事例が後を絶ちませんでした。日赤は、安全な血液を確保し、同時に供血者の健康も守るための啓発、無償供血の呼び掛けを続けましたが、当初は苦戦。
しかし、学生を中心とした売(買)血追放運動やマスコミによる報道が追い風となり、1964年の閣議決定を経て、各地の血液センター開設なども進展、善意の献血による血液事業が前進しました。
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