発熱時のケア~回復をサポートする3つのタイミング~ 在宅看護のポイントPart.2
新型コロナやインフルエンザなどのウイルスが体に侵入すると、体温調整をつかさどる脳の視床下部から全身に指令が行きます。免疫がウイルスと闘う力を高めるためです。この時、通常の体温設定よりも高い温度に設定され(セットポイント)、それに向けて熱が上昇。しばらく維持された後、熱が下がります。実は、熱の上昇・下降のタイミングに、回復を助けるポイントがあるのです。
「在宅看護のポイント Part.1」
看護時の消毒・清掃についてはコチラ ⇒
発熱時のケア、3つのタイミング
<1>上り坂のタイミング(寒気があるとき)
体温上昇を助けるために、掛け布団を追加し、電気毛布や湯たんぽなども使用(特に手足を温める)。
まだ頭は冷やしません。
常温~温かい水分を飲んでおきます(後で汗をかくため)。
<2>高台のタイミング(熱が高いままのとき)
寒気がなくなったら、布団を減らし、電気毛布などの使用をやめ、氷枕などで頭を冷やします。
ここで、多めに水分をとります。
長い時間、高温が続くと体力を消耗し、体がダメージを受けるので、首、脇の下など太い血管のある場所を重点的に冷やしたり、医師の指示で解熱剤を飲んだりします。
<3>下り坂のタイミング(熱が下がっているとき)
発汗は大切ですが、汗を多量にかくのが良いわけではありません。
汗をかいたら体を拭いたり着替えたりし、ゆっくり休めるように寝具や服装を調整します。
脱水症状を予防するため、体が吸収しやすい経口補水液を飲むのもオススメです。
のどの痛みがある時は、とろみのある葛湯や常温の飲むゼリーなどを少しずつとりましょう。
自作の「経口補水液」
1リットルの水に、塩3g(小さじ1/2杯)と、砂糖40g(大さじ4杯半)を溶かす。少量の塩分と適量の糖分が加わることで、ただの水よりも体が吸収しやすくなります。おう吐や下痢の症状もある場合は、よりこまめな水分摂取が大切です。
※コップに移して飲むようにし、1日で飲みきれない分は捨てましょう。