国内災害救護まるわかり辞典「こころのケア活動」 その時、日赤はどう動く!?
日赤の救護活動についてさまざまな角度から紹介するコーナー。
今回は【被災地の人々に寄り添う「こころのケア活動」】です。
災害は人々の生命や財産に多くの被害をもたらすだけでなく、こころにも大きな傷を残します。さまざまなものを失った体験や避難生活による環境変化などにより、被災された方は大きなストレスを感じることもあるため、日赤は、被災地における救護活動として、医療救護班の派遣や救援物資の配分などと共に被災された方々への「こころのケア」を重要な柱の一つとして位置付け、実際に活動を担う「こころのケア要員」の養成に力を入れています。
こころのケアと聞くと、精神的に大きなダメージを受けた人を対象とするものだと思われるかもしれませんが、救護所や避難所に来られる方、自家用車で避難生活を送っている方 、壊れた自宅 に留まっている方、また、被災自治体の職員やボランティアなどの支援者も含め、被災地の全ての方々に必要な活動です。
日赤のこころのケア活動は、精神科医や臨床心理士などの専門家が実施する支援ではありません。研修により必要な知識や技術を身に付けたこころのケア要員が、被災者の健康や身近な悩みなどをお聞きすることにより、安心感を築いていく心理的な支援と、ハンドケアや足浴などのリラクゼーション、子どもの遊び場の設置、ストレス対処法の広報活動などの社会的な支援も柔軟に考えて活動する特徴があります。必要に応じて、専門的な支援への橋渡しを行うことも重要な役割となります。
日赤では、この活動を効果的に実施するために、こころのケア要員を医療救護班に帯同させたり、本活動に特化したこころのケア班を編成するなど、被災地の状況に応じた活動を継続的に実施しています。