赤十字防災セミナー: 中学校の先生たちが避難所を疑似体験 赤十字防災セミナーの新カリキュラムを開催!

参加した岡部悠也教諭(写真中央)は、「避難所を具体的にイメージすることができた。また避難者の体の健康だけでなく、心のケアの大切さにも気づかされた」と感想を述べました

日赤では災害時の避難所生活で困ることや運営の重要性を多くの人に知ってもらうために、ゲーム形式で学ぶ新カリキュラムをスタートしました。今回は、埼玉県の青少年赤十字に加盟する中学校で行われたセミナーをリポートします。

当日は川越市立砂中学校の24人の教職員が参加(写真右奥が日赤埼玉県支部・永瀬課長)

 8月21日、埼玉県の川越市立砂中学校で赤十字防災セミナーが開催され、新カリキュラム「ひなんじょ たいけん」が実施されました。

 このゲームは、大規模災害を想定し、そのときに避難所で起こるさまざまな出来事を「避難者の目線」で疑似体験するものです。ゲームでは、避難所に見立てた平面図と、避難者や出来事を示したカードが配られます。5~7人のグループが役割分担をして、多様な年齢・健康状態・被災状況の避難者を、どこに、どうやって誘導するか、また避難所で直面する課題にどう対応していくかを考えていきます。

 日赤埼玉県支部の永瀬公彦 青少年・ボランティア課長は次のように語ります。
「近年、大きな地震や風水害がひん発し、これまでにも増して防災意識の向上が求められています。防災セミナーを通して、多くの人に災害時に求められる自助と共助の意識を高めていただくとともに、日赤のボランティアをはじめ、カリキュラムの指導者の養成も力を入れていきたい」

 今回のセミナーでは、学校の先生たちがグループワークに取り組みました。同中学校の野口千津子校長は、災害時には学校が避難所として活用され、教員が運営する立場になることをふまえ、
「いつ訪れるか分からない“そのとき”に備え、避難所生活を実際にイメージすることで、子どもたちにも防災や自助と共助の重要性をしっかり伝えていきたい」
と話しました。日赤ではこのカリキュラムを活用し、全国で防災意識の啓発に努めていきます。

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「ひなんじょ たいけん」では、避難所に見立てた平面図に、世帯ごとに避難者の年齢や健康状態などが書かれたカードを配置していき、さまざまな出来事や課題に対応していきます。