国内災害救護まるわかり辞典「避難所生活で心と体を守るために」 そのとき、日赤はどう動く!?
日赤の救護活動についてさまざまな角度から紹介するこのコーナー。
今回は【避難所生活で心と体を守るために】です。
昨今、避難方法は多様化していますが、実際の避難所運営には地域の住民が携わる、ということをご存じでしょうか。避難所に届く支援物資の管理や配分、ごみの処理や掃除といった役割を、被災者自身で分担することは珍しくありません。
その避難所生活の中で、特に重要になるのが衛生面の管理です。例えば、避難所のトイレは多くの人が利用し続ける中で問題が生じやすく、気がついたときには使えない状態になっていることが、しばしば起こります。
また、寝る場所や食事など、多くの人が同じ空間で生活するため、避難者の一人一人が衛生に対する高い意識を持って行動することが、避難所内での病気や感染症のまん延を防ぐポイントになります。いずれにしても「自分たちの避難生活は自分たちで作る」という、“お客様”ではない意識で向き合うことが大切です。
日赤では、こういった避難所生活の課題を知り、避難者目線で理解を深めるために、赤十字防災セミナーの1メニューとしてカードゲーム形式の「ひなんじょ たいけん」という講座を開いています。実際の避難所も住民の協働が大切なので、グループ内で参加者それぞれが意見を出し、主体的に取り組む内容になっています。
他方で、在宅避難や自家用車避難など、避難所に行くことだけが避難ではありません。日頃から「どうすれば少しでも快適に避難生活が送れるか」を考え、避難生活に生かせる情報にアンテナを張り、万が一のための準備をしておきましょう。