【献血連載】「献血バス」から広がる、感謝のつながり 献血ハートフルストーリー vol.6

兵庫県赤十字血液センター
事業推進部 献血推進課
江﨑 貴久(えざき たかひさ)さん


 私の献血との関わりは高校時代に始まりました。ときどき訪れる献血ルームで、献血の呼びかけを行う大学生ボランティアに関心を持ち、大学入学後に兵庫県学生献血推進協議会(学生ボランティア団体)に参加。その後、縁があり血液センターに入社しました。今は入社6年目で、最初の4年間は献血バスで県内各地に赴く担当でした。受け付け業務のほか、大型自動車運転免許を取得して献血バスの運転も任されました。血液を待つ患者さんのために取り組む気持ちは、学生ボランティアのころと変わりませんが、違うのは思いの深さと責任感でしょうか。献血をしていただく方に、1回限りでなく、「どうかまた来てください」という思いで接し、次も来ていただくための工夫も考えます。また、献血バスでは1台あたり1日50人以上の協力を必要としていますが、血液を待つ方々のために、その達成を強く意識しています。

 現在私は、献血バスなどの献血会場の設営を交渉する渉外業務に携わっています。コロナ禍で献血協力を中断された企業や団体にも協力再開の交渉に伺いますが、リモートワークなど働き方の変化で、コロナ禍前の協力のスタイルに戻すことが難しい企業は多く、課題を抱えています。協力をお願いする日々の中で改めて感じるのは、企業献血でも、街中の献血でも、忙しい中で貴重な時間を割いて献血に協力してくださる方々への感謝です。献血は、患者さんや患者さんの家族も笑顔にし、温かな感謝を生みますが、私たち職員も協力してくださる方へ感謝の思いが湧いてきます。協力のきっかけはどんな些細なことでもよいのだと思います。一人でも多くの方が協力してくださることを、感謝と共に願っています。

協力企業や団体の担当者と献血実施に向けて交渉を行う江﨑さん