【献血連載】献血バスから、温かい思いが広がるように このコーナーでは、血液事業に携わる日赤職員、ボランティアさん、献血協力者などの人たちが、日々どのような思いで血液事業に取り組んでいるのかを紹介していきます。

●今月のひと

広島県赤十字血液センター
献血推進課
平田 直秀(ひらた なおひで)さん

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 私は献血バスの運転をすることになって12年目、1日に2カ所の献血会場を回ることもあり、毎月約30カ所の会場に伺います。
 バスの運転担当と言っても、運転は業務全体の2割くらい。献血会場では、バスの前にテントを設営し、受け付けの誘導や接遇も行います。まれに献血後に体調不良になる方がいるので、献血者の顔色にはいつも注意を払い、定期的に救急法の基礎講習を受けて、いざというときのためにバスに積んでいるAEDの使い方も習得しています。

 実は血液センターに入職するまで、私には献血の経験がありませんでした。そんな私が月に1回ほどのペースで献血をするようになったきっかけは、この仕事で出会った「まひろちゃん献血」です。3歳で急性白血病を発症し5歳で亡くなった「まひろちゃん 」。その子の父親の草野球チームの仲間が献血を呼びかける活動を始め、それが「まひろちゃん献血」という名で広まりました。暑い日も寒い日も懸命に献血の呼びかけをする人たちの姿を見て、この仕事に携わる自分が何もしないでいいのか、献血に協力してくださる方に頼るだけでいいのか、そう思ったら、献血せずにはいられませんでした

 献血するようになって感じたのは、献血に対して関心のある人とない人が二極化して、中間がない、ということ。かつての私のように、世の中に献血というものがあると日常で意識することがない人と、熱心な人、その中間で、すぐに献血しなくてもその大切さは知っている、という人を増やすことが大切ですね。この仕事で、私は人との接し方が変わりました。また献血に協力したいと感じ、温かい気持ちを持ち続けてもらえるよう、私にできることを、献血バスで頑張っていきたいと思っています。

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