国際人道法

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戦いの中にもルールがあるのを知っていますか?

国際人道法とは?

国際人道法とは、赤十字の呼びかけによって、19世紀半ばに成立した「人間の命と尊厳を守るためのルール」です。
戦争などの武力紛争において、武器を持たない一般市民や捕虜、負傷兵や病気で戦うことができなくなった兵士など、戦闘行為に参加しないすべての人を保護することを目的とするもので"法"といっても、法律ではありません。国際人道法は、紛争において不必要な犠牲や苦痛を防止するための、自然な人間愛に根ざした国際的な約束事ととらえることができます。
いかなる場合でも人間の命と尊厳を尊重しようという思想が、国際人道法の根底には流れています。

国際人道法はなぜ必要なのか

世界各地で絶え間なく続く紛争・戦争の現場では、人間の尊厳を脅かすさまざまな問題が起きています。そのひとつに子ども兵士も問題が挙げられます。今日、世界では25万人以上の子どもが武力紛争に加わっており、10歳に満たない少年少女も兵士となり大人とともに戦っている現実があります。強制的な徴兵や、誘拐によって兵士にされる子どもたちが後を絶ちません。その一方で、自らの意思で兵士になる子どもも存在します。社会格差や養育者の不在、教育の欠如が子どもたちを入隊へと追い立てています。
武器を持った子どもたちは、人を殺すことさえあります。人を傷つければ、子どもであれ加害者です。しかし、武器を持たねばならなかった彼らは、同時に犠牲者でもあります。子どもが人を殺さなければならない状況に、人間の尊厳はあるのでしょうか。
国際人道法では、15歳未満の子どもを兵士として利用することを禁じています。国際人道法を学ぶことによって、世界の現実を知ることが、現代の日本社会においても不可欠なのです。

平和な日本で、いま、国際人道法を学ぶ意義

「国際人道法は戦争や武力紛争における無用な苦痛や破壊を予防し、人間の命と尊厳を尊重するためのもの」と聞くと、平和な日本で暮らす限り、まるで無縁なもののように感じてしまう人もいると思います。
しかし、「人道」とは「命と健康を守り、苦痛を軽減して予防し、人間の尊厳を守る」という当たり前のことに過ぎません。世界共通のルールである国際人道法を学ぶことは、人としてあるべき姿について深く考え、人道的価値観を学ぶことといえます。

授業での活用

赤十字職員より赤十字の国際活動や国際人道法についての出前授業を行うことができます。
人権教育などで活用いただけます。

動画で学ぶ国際人道法

【動画】戦時の決まりごと(日本語吹替)ICRC

【動画】Story of an Idea ~赤十字誕生物語(ICRC)