防災セミナー指導者への道~令和6年度防災教育事業指導者養成研修~
令和7年2月15日-16日の2日間にわたり、令和6年度防災教育事業指導者養成研修が開催され、36名の防災セミナー指導者が新たに誕生しました!!
今回、わたくし広報担当の羽鳥も、防災セミナー指導者になることを夢見て研修に参加してきましたので、その様子をレポートいたします!
<1日目>
初日である本日は、これから防災セミナー指導者を目指す仲間たちと初対面!
高校生から人生の大先輩まで、年齢も普段生活する環境も様々な方が一堂につどい、一緒に地域の防災について考えます。
どきどき、これからの2日間が楽しみです(^^)
①「赤十字防災セミナーについて」
そもそも、赤十字防災セミナーって??どんなセミナーなの?
まずは、赤十字防災セミナーについて学びます。
講師を務めるのは、昨年防災セミナー指導者になられた先輩の皆さん!
話を聞く姿勢にも力が入ります。
近年、より激甚化、頻発化、広域化している災害。今後発生が予想される大規模災害に備え、国や自治体による公助だけでなく、私たち自身が災害について知り、考え、行動する「自助」そして「共助」の力が大切だということを学びました。
赤十字防災セミナーは、そんな「自助」「共助」について地域住民とともに考えることで、災害に対する意識を高め、地域の中でのリーダーの育成、いざという時に協力し合える地域コミュニティの育成を目指しています。
そんな赤十字防災セミナーを普及する一員となれるよう、2日間しっかりと勉強します!!
②災害への備え
ここからは、実際に赤十字防災セミナーで取り組むカリキュラムについて学んでいきます!
まずは、「災害への備え」です。防災・減災の入門編として、災害への理解を深めます。
例えば、非常持ち出し品のチェックリストなどを見ながら、自分自身の家族構成や家族の特徴などのことを考え、いざという時にどんなものが必要なのか想像します。年齢、性別、食品アレルギーの有無など、備えるものは人それぞれだということが分かりました。
チェックリストに項目がなくても、入れ歯をいつもしている人は入れ歯が必要なように、それぞれの自分と家族に合わせたチェックリストを考えることが大切だということを学びました。
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ふと、自分の家族のことを考えました。今は離れて暮らしていますが、いざという時にすぐに避難できるよう、次に実家に帰省した時は、一緒に非常持ち出し品の準備をしたいと思いました。川沿いに立つ木造建築の我が家の住人達は、特に心配です、、!!
【ランチョンセミナー vol.1】
ここで一息、お昼ご飯の時間です!
お昼ご飯を食べながら、受講生によるランチョンセミナーが行われました。
本日の講師は、赤十字救急法指導員であり、普段は駐在所の警察官として活躍されている、木下さんです!!
木下さんは、テレビや新聞にも取り上げられたこともあるほど、地域の住民にそれはそれは深~~~~~く愛されている警察官です。
【木下さんのご活躍はこちら】(外部リンク)
ランチョンセミナーでは、地域における防災や、人と人のつながりについて、地声がマイクを貫通してしまうほどに熱く語ってくださいました。
(というか、もはやマイクは使っていませんでした。)
③災害エスノグラフィー
「災害エスノグラフィー」では、過去に発生した大規模災害の被災者の体験談を通して、災害を追体験するプログラムです。
今回の研修では、阪神・淡路大震災の発災直後、避難所生活の体験記を基に追体験を行いました。
体験記を読む中で、実際に災害が起きた際の現場の状況や人々の緊迫した様子がひしひしと伝わり、胸が痛くなる場面もありました。そして、それぞれの場面においてリーダーとなる住民の存在や役割などについて知ることができました。
私を含め、実際に被災した経験のない参加者にとっても、災害を自分事としてとらえ、イメージを明確化させることのできたプログラムでした。
そして、グループのみんなと追体験について共有する中で、災害時における地域のつながりの大切さについて強く感じました。
例えば、「あの家がお年寄りだけで暮らしているはずだ。」「あそこの奥さんがまだ出てきていない」など、普段からの地域とのつながりが、災害時に役立つことを学びました。特に都心部ではなかなか難しいことかもしれませんが、こういった防災セミナーなどを通して、自分の住む地域について知っておくことも大切だと感じました。
④ひなんじょたいけん
1日目の最後のプログラムは「ひなんじょたいけん」です!
私たちは、大地震で避難してきた避難者。
グループのみんなと役割を決め、一緒に避難所の運営を体験します。
避難所の平面図、掲示板、カードを使用して行われるこのプログラムでは、次々と避難してくる避難者の避難所での生活区域を決めたり、部屋分け、運ばれてくる救援物資の配布・管理、避難所でのルールを決めたりと、避難所での生活を確立するまでの大変さを痛感しました。
地域の避難所には、小さな子どもがいる家族、妊婦さん、持病のある方、ペットのいる方、お年寄りなど、いろいろな方が来られます。
限られたスペースの中で皆がどうやって一緒に生活していくのか。特に頭を悩ませました。
令和6年能登半島地震においても、続く断水による衛生環境の悪化、避難所での感染症の拡大などが問題となりました。
感染症の方がいらっしゃる場合どのように部屋を分けるのがよいのか。診療所はどこに設置しよう?また、配られた物資や食料は、どう配布しよう。
自分自身も被災している中で、避難所を運営していくことの難しさを特に感じました。
また、このプログラムを通して考えたのが、掲示板の役割です。
避難所の運営をする中で、どんどんルールが確立していくのですが、それをみんなと共有したり、炊き出しの時間を知らせたり、家族の情報を探したり、掲示板の可能性を知りました。
実際の避難所での生活とプログラム上での体験は、もちろん異なるものですが、避難所に避難した後に自分がどうして過ごしていくのか、考える機会となりました。
さて、ここで1日目は終了です。
明日は、どんなプログラムが待っているのだろう、、、(^^)
<2日目>
さて、早くも2日目、最終日です。
グループのみんなとも、打ち解けてきたところで、今日でお別れかと思うと少し寂しいです。
⑤災害図上訓練(DIG)
さっそくプログラムが始まります!まずは災害図上訓練(DIG)です。
私が防災セミナーと聞いて、一番初めに「こんなことやるのかな~?」と思い描いたプログラムです。学校などで体験したことがある方も多いのではないでしょうか。
地域の地図を確認しながら、災害時に危険な箇所や避難経路について考えます。
今回は、京都が誇る観光地「嵐山」付近の地図を確認しながら、危険個所について考えました。
川や勾配の多い地域で、大雨・洪水が起きたとき、どこに避難するのか、その経路は?
しるしをつけたり、周囲の避難所、コンビニや学校、大きな道路などを確認しながら考えます。
実は、私はこのプログラムに最も苦戦しました。
なぜかというと、私は京都の出身ではないからです(笑)
地図上で見るだけの情報だけでは分からないことも多く、グループの仲間に教えてもらった「この辺りはよく道が混雑している」「この川はよく氾濫する」といった情報に助けられました。
地域の特性を知っていると、実際に避難する時に非常に役立つと感じました。
この地域に学校のあるJRC加盟校の高校生らからは、地域の特徴に根差した情報をもとに、避難経路や危険箇所についての発表がありました。
さすがは地元の高校生、めちゃくちゃ詳しいです、、、!
この日体験した地図では、避難できる経路はかなり限られていることが分かり、自分の住む地域の地図を見ながら、いざという時どのように避難するのか考えておくことで、“安全に避難するチャンスを逃さないこと”が重要だと学びました。
最後に、ハザードマップを確認して、自分たちの考えた危険個所と照らし合わせることで、見落としていた災害リスクや避難場所について確認しました。
【ランチョンセミナーvol.2】
ここで一息、本日のランチョンセミナーは、災害ボランティアである「赤十字レスキューチェーン京都」のメンバーである棟方さんによる発表です!
棟方さんは、昨年の令和6年能登半島地震の際、赤十字の救護班の一員として現地に派遣され、活動されました。その時の、現地での活動の様子や感じたことなどについて、当時の写真とともにお話しくださいました。
医療活動のサポートや、断水が続き、衛生環境の悪化する避難所で、トイレ掃除を行い環境を整える活動などをされたそうです。
赤十字の活動は、こうしたボランティアの皆さんにより支えられています。
⑥家具安全対策ゲーム(KAG)・おうちのキケン
いよいよ最後のプログラムとなりました!
最後は、家具安全対策ゲームを通して、自宅の危険個所について考えます。
・倒れてキケン
・落ちてキケン
・動いてキケン
・割れてキケン
自宅に潜む様々なキケンについて、実際に自分の部屋を想像しながら確認すると、「私こんなところで寝てて大丈夫、、!?」と普段の家具の配置や固定について見直すいい機会となりました。
家族と一緒に住んでいる方は、おうちに帰って奥さんや旦那さん、子どもやお父さん、お母さんと一緒に考えてみるのもよさそうです。
家族と話す良い口実となるかも、、!?
【まとめ】
さて、これですべてのプログラムが終わり、最後にこれから防災セミナー指導者として、防災セミナーを普及していく一員となるための極意を学びました!
今回この研修を受けて感じたことは、防災セミナー指導者の皆さんはいつも「うんうん」と本当によく話を聞いてくださるということです。私たちが考えたこと、感じたことをとても大切にしてくださいました。
“地域の防災についてみんなで一緒に考える”
私も、そんな防災セミナー指導者の一員として、皆様とともに「自助」「共助」の力を高めていけたら幸いです。
この記事を読んでくださった皆様も、ぜひ一度自分の住む地域の防災について一緒に考えていただけると嬉しいです。