地域赤十字奉仕団によるひとりくらし高齢者訪問活動
富山県の地域赤十字奉仕団が行う活動のひとつに、『在宅ひとりくらし高齢者訪問』があります。この活動は、1977(昭和52)年に、孤独になりがちなひとり暮らし高齢者の話し相手になることや災害発生時の声かけなどを目的に、県内すべての地域赤十字奉仕団による統一活動としてはじめました。
四方赤十字奉仕団(富山市)は、毎年、地元の富山市立四方小学校の児童とともにこの活動を行っています。
訪問先の玄関で読みあげる手紙は、同級生のみんなで考えたもの。
「今日はお会いできてとてもうれしいです」
「これからも四方に住むみなさんが笑顔でくらせるように、みなさんがつないできたものを私たちも大切にしていきたいと思います」
お年寄りからは、感謝の声とはじける笑顔が返ってきます。
活動を終える頃、子どもたちは名残惜しいような表情を浮かべ、「またやりたい」と話してくれました。
新型コロナへの感染が拡大したことにより、これまで行ってきた交流活動の実施やその方法など、すべてのことを見直しせざるを得ない状況になりました。それでも、子どもたちの訪問を待ちわびている高齢者のため、子どもたちと地域のつながりを絶やさないため、四方赤十字奉仕団の任海哲朗委員長は小学校との連絡調整を重ねました。四方赤十字奉仕団を信頼し、子どもたちを快く送り出してくださった校長先生を始めとした教職員のみなさま、親御さんには、心から感謝申し上げます。
活動をはじめた44年前は、お一人で生活される高齢者の方は今よりずっと少なく、多くの子どもたちは大家族の中で育っていました。
同じ地域に暮らす者同士、ともにたすけあい、労わりあう、そんな地域づくりの一端を赤十字奉仕団が担っています。