「もし、災害が起きたら?」~避難所の開設と運営を学ぶ~
6月から7月にかけて、富山県内各地で大雨による災害が発生したように、「立山に守られているから大丈夫」はもう通用しなくなってきています。富山県の地域赤十字奉仕団も、各々の研修会で赤十字の災害時健康生活支援講習を受講するなど、災害に対する備えを強化しています。
南砺市福野、福光、井波、城端、井口、平、上平、利賀の各赤十字奉仕団は、普段はそれぞれの地域で活動していますが、いざというときには地域の垣根を越えて助け合うため相互連携を図っています。
その一環として、今年度は南砺福野高等学校の生徒と一緒に避難所の開設と運営について学ぶことに。日赤長野県支部の小柳参事および関青少年・ボランティア係長の両名をお招きし、令和元年台風19号災害や平成28年熊本地震災害当時の避難所の状況や奉仕団の活動を伝えてもらいました。
「復興期の炊き出しは心を満たす」。
長い長い避難所生活は、時として被災者の心を閉ざしてしまうことも・・・。赤十字奉仕団は、そんな人々の心に寄り添い励まします。五平餅焼き体験によって、笑顔を取り戻したおばあさんや男の子。野菜たっぷりの温かい豚汁とカレーを食べ、身も心も満たされた避難者。スライドを見つめる参加者の目も真剣です。
避難所の実態を踏まえ、避難所運営ゲームに挑戦。「杖をついたおばあさんが避難してきたら?」「『夫と子どもは来ていますか』と聞かれたら?」「トイレの水が出ないと言われたら?」次々とやってくる避難者や要望に頭を悩ませながら、情報の書かれたカードをマップの上に置いていきます。
避難所運営に正解はないけれど、大切なのは避難者それぞれへの“配慮”。災害は起こってほしくありませんが、有事の際には、今回の研修会で学んだことを生かし奉仕団と高校生が一致団結してくれることを願ってやみません。
「大きな災害が少ない県だからこそ危機感を持って取り組まなければならない。」と、研修会を企画した南砺市の福野赤十字奉仕団長井委員長ほか各地域奉仕団委員長。南砺市の赤十字奉仕団を信頼し、提案に賛同してくださった福野高校の校長先生をはじめとした教職員のみなさま、親御さん、研修会全体の会場運営にご協力いただいた南砺市福祉課および総務課のみなさまには、心から感謝申し上げます。
同じ地域に暮らす者同士、ともにたすけあい、労わりあう、そんな地域づくりの一端を赤十字奉仕団は担っています。