下関市長府地区で、防災・減災について考える講習会を開催!~平成29年度からの日本赤十字社の地域住民向け防災教育事業実施に先駆けて~
日本赤十字社は「災害からいのちを守る」ために、防災教育に取り組んでおり、全国各地の日赤支部において地域住民を対象とした防災教育パイロット事業(調査研究事業)を実施しています。
山口県支部では、平成29年度からの日本赤十字社防災教育事業(赤十字防災セミナー)の全国展開に先駆け、昨年度に続き今年度も一般市民の防災・減災に関する意識・知識・技術が向上し、「自助」の力が向上すること、地域において災害発生時の応急対応にあたる防災リーダーが育成され、「共助」の力が向上することを目的として実施しました。
昨年度は大雨災害を想定して、山間部である山口市阿東篠生地区において実施。今年度は地震を想定して、3月5日(日)、臨海地域である下関長府市区の長府公民館にて開催し、地域住民約30名が参加しました。
この講習では、まず、3~4つの自治会から構成される5つグループに分かれ、災害エスノグラフィーを実施。災害エスノグラフィーとは、過去の災害体験者の読み物を読み、一連のプロセスを追体験することにより、災害の全体像を理解し、次に何が起こるかを想像するための力を養うためのグループワークです。
読み物に「初めて知ったこと」「既に知っていたこと」「重要だと思うこと」を3色のマーカーで印をつけていき、グループ内でそれぞれ感じたことや一番心に残った事を発表しました。
昼食は、下関市赤十字奉仕団長府地区と山口県赤十字防災奉仕団の協力により、災害時の非常食炊き出しを行い、試食しました。
午後からは、ディグ(災害想像ゲーム)という手法を使った災害図上訓練を行いました。参加者はテーブルに広げた居住区の地図を囲み、河川や道路、狭い路地など地域の構造や自然条件について色を塗ったり、自分の家や危険箇所、防災施設、災害時に手助けが必要となる人、頼りになる人などにマークをしたりして、災害時に必要な情報を地図に落とし込み、「見える化」をしました。
地域のことをよく知る者同士が、様々な観点から話をしながら楽しい雰囲気で作業を進め、まとめとして、自分たちが家庭や地域でできる防災・減災のための取り組みについて全員で確認し、発表しました。
今回の取り組みの成果は、平成29年度日本赤十字社が作成する「地域住民向け防災教育プログラム」に盛り込まれる予定です。