血液事業とは
「血液事業」とは、一般に、血液を提供していただける方を募集し、その血液を採取し、血液製剤(人の血液又は血液から抽出・精製したものを有効成分とする医薬品。輸血用血液製剤と血漿分画製剤がある。)として、治療を必要とする患者さんのため、医療機関に供給する一連の事業のことをいいます。
わが国では、病気やけがの治療のため、輸血用血液製剤や血漿分画製剤を必要とする人たちが数多くいます。これらの血液製剤は、健康な方々から自発的に無償で血液を提供していただく「献血」により造られています。わが国の血液事業は、「献血」によって支えられており、血液を必要とする多くの患者さんが、日々救われています。
日本赤十字社は、1952年(昭和27年)4月に日本赤十字社中央病院(現日本赤十字社医療センター)に日本赤十字社血液銀行東京業務所を開設し、血液事業を開始しました。その後も採血施設を整備するとともに献血の周知、普及に努めてきました。
今日、血液事業に携わる関係者は幅広く、国、都道府県や市町村、日本赤十字社をはじめ、血液製剤の製造・販売業者、実際に血液製剤を使用する医療機関、患者の方々、そして、献血に協力してくださる企業やボランティア、国民の皆さま。このように多くの人々の協力により、血液事業は成り立っています。ひとりでも多くの人を救いたい、そんな一人ひとりの思いがこれからの血液事業を発展させていくのです。
広域事業運営体制
日本赤十字社の血液事業は、全国54の血液センターと172の付属施設において運営されています(平成31年3月31日時点)。
全国の献血会場で献血していただいた血液はブロック血液センターに届けられて血液製剤となり、医療機関に届けられます。
平成30年度には全国で約474万人から献血のご協力をいただき、その献血血液から製造された輸血用血液製剤約497万本を医療機関にお届けしました。
社会の少子高齢化が進む中、輸血用血液製剤の需要がますます高まることが予想されています。
日本赤十字社では、需要に見合った輸血用血液の確保および血漿分画製剤の国内自給に向けた原料血漿の確保を始め、医療機関の要請により的確に対応するための体制整備を目的として、平成24年4月から都道府県単位の運営体制を全国7ブロック単位での広域事業運営体制に変更しました。その司令塔的役割を担うのがブロック血液センターです。
血液事業の現状とこれから
本格的な少子高齢社会を迎えた今日、より幅広い年齢層による献血の協力体制を必要としています。今後も、医療機関へ血液が確実に届くよう、血液の安定的な確保を図るため、皆さまの献血へのご協力をお願いいたします。
血液事業の財政基盤
血液事業の主な財源は、血液製剤を医療機関へ届けた時に得られる収入です。この収入は、国で定められた薬品購入基準価格(薬価)と呼ばれます。また、各施設の整備や他から委託を受け行っている事業においては、一部国などからの補助金・委託金を受けています。
関連事業
日本赤十字社では骨髄バンク・臍帯血バンクを関連事業として位置付けており、主に登録業務・データの管理業務等を行っています。
血液事業の組織
日本赤十字社が担う事業の一つに血液事業があります。
事業報告
直近の血液事業に関する事業報告をお知らせします。
血液事業の紹介
血液事業についてパンフレットや動画を用いてわかりやすく紹介していますので、ご覧ください。