ミャンマー保健スポーツ省からの感謝状授与
平成30年1月に、ミャンマーのヤンゴンで血液事業に関する教育シンポジウムが開催されました。日本赤十字社(以下、日赤)が同国に対して行ってきた輸血に関する技術研修等の取組みが認められたことにより、同国保健スポーツ省から感謝状が授与されました。
(ぺ・テ・キン ヤンゴン第一医科大学名誉教授(元保健大臣)氏(右)から感謝状を受け取る池田岡山県赤十字血液センター所長(左))
関係機関との協働により、ミャンマーの輸血医療の発展に積極的に貢献
国立研究開発法人国立国際医療研究センターでは、平成27年度からミャンマーの輸血医療並びに造血幹細胞移植の支援に取り組んでいます。この支援は、厚生労働省の医療技術等国際展開推進事業の一環として、輸血医療における日本の経験・知見の共有や、輸血や血液製剤の臨床使用に関する技術移転を通じて、同国における医療水準の向上に貢献することを目的として実施されています。
日赤では、血液事業に関する豊富なノウハウを活かし、この事業に積極的な協力を行ってきました。これまでに、国立国際医療研究センターの依頼を受け、23名の研修生を受け入れてきたほか、同国で行われるシンポジウムに職員を3回派遣しています。これらの取組みが、ミャンマー国内における輸血医療の発展に寄与したと認められ、この度の感謝状の授与につながりました。
日赤の技術や経験を活かした協力
こうした日赤の取組みに対して、国立国際医療研究センターの野崎威功真氏(ミャンマー駐在)からは、「限られた資源の中で、幹細胞移植のような高度な医療を行うことは大変と思いつつも、臨床医が患者のために行うこのような背伸びが、日本の医療の発展も支えて来たのかとも思い、少しでもお手伝いできればと考える次第です。(日赤にも)引き続きご協力いただけましたら幸甚です。」とメッセージをいただいています。
平成29年には、日赤近畿ブロック血液センターにおいて、ミャンマー国立輸血センターで課題となっていた、不規則抗体(注)検査に関する研修を2週間に亘って実施しました。日赤がこれまで培ってきた技術や経験を伝えていくことで、同国が抱える課題を解消し、患者さんがより安全な輸血医療を受けることができるよう、今後も協力を継続していきます。
注:不規則抗体とは、ABO式血液型のA抗体、B抗体以外の抗体のこと。不規則抗体を持つ患者さんには、不規則抗体と反応しない(陰性)の血液製剤を輸血する必要がある。
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