英国滞在歴に関する献血制限の緩和について
平成22年1月27日より英国滞在歴に関する献血制限が緩和しております
英国滞在歴に関する献血制限は、これまで、輸血による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の感染を防ぐために、予防的な観点に立った暫定的な措置として実施しています。
平成17年2月に国内で初めて変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の患者が確認されたことを受けて、同年6月1日より、1980年から1996年の間に英国に1日(1泊)以上滞在された方からの献血はご遠慮いただいておりました。
このたび、平成21年12月10日に行われました薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会において改めて輸血用血液製剤の安全性や安定供給等に及ぼす影響について検討された結果、1980年から1996年の英国滞在歴の献血制限を「1日以上」(1泊以上)から「通算1カ月以上」(31日以上)に緩和することが決定されました。
このことにより、通算30日以下の英国滞在歴の方であれば、献血にご協力いただくことが可能となりました。
英国滞在歴に関する献血制限
以下に該当する方は、これまでどおり献血にご協力いただくことができません。
(1)英国に1980年(昭和55年)から1996年(平成8年)までに通算1カ月(31日)以上の滞在歴のある方。
(2)英国に1997年(平成9年)から2004年(平成16年)までに通算6カ月以上の滞在歴のある方。
※(2)の滞在歴には(1)の滞在歴を加算する(例:1980年から1996年の間に通算20日間の滞在歴があり、1997年から2004年までの間に通算5カ月と20日間の滞在歴のある方は合計の通算滞在歴が6カ月以上となり献血いただくことができません)。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)
抑うつ、不安などの精神症状にはじまり、発症から数年で死亡する難病です。原因は、感染性を有する異常プリオン蛋白と考えられており、感染経路として牛海綿状脳症(BSE)の牛の経口摂取やvCJD患者血液の輸血等が考えられています。
英国滞在歴に関するリスク
BSEの原因といわれる肉骨粉が英国で使用され始めた時期が1980年とされています。また、英国での牛の危険部位の流通制限が徹底されたのが1996年であることから、1980年から1996年までの英国は、それ以外の時期よりもvCJDに感染するリスクが相対的に高い時期にあったと考えられます。
今般、薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会では以下の見解が示され、献血制限の緩和となりました。
- 英国渡航に由来する感染者がいる可能性が低く、もし存在しても献血に起因するvCJD感染拡大のリスクは非常に小さい。
- 英国渡航に由来する新たなvCJD発症者が報告されない状況が続いているので、感染の可能性はますます低くなりつつある。