このたび、世界保健機関(WHO)は、緊急時に活動する医療チーム(EMT:Emergency Medical Team)の活動基準等について定めたガイドラインである通称Blue Book(改訂版)を発刊しました。今後、日赤の緊急救援時における保健医療支援の指針となる資料ですので、ご参照いただければ幸いです。
Blue Book(自然災害や公衆衛生上の緊急時におけるEMTによる支援)
※参考:Red Book(紛争下における医療チームによる支援)
EMTでは、医療チームを規模・設備・機能による分類分けを行い、タイプ1(巡回型と診療所型)、タイプ2(病院型)、タイプ3(高機能病院)と定めています。2020年12月、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)とWHOは、赤十字の保健医療ERUとEMTの分類及び活動地での取り決めについて規定したレッドチャネルと呼ばれる合意を交わしました。同合意により、連盟は保健医療ERUを一括でEMTに登録し、診療所ERUをEMTタイプ1、病院ERUをEMTタイプ2としてWHOから認証されることになります。日赤は、診療所ERU及び整備中の病院ERUについて、EMTのタイプ1及びタイプ2に準拠しているという担保を得ることができます。
レッドチャネルの合意では、保健医療ERUにおいて質が確保された支援を提供するため、Blue Bookに規定される基準を満たして活動することが定められています。なお、日赤の保健医療ERUでは、Blue Bookで求められる基準を満たす運用を現場で実際に行うために、Blue Bookを踏まえた手順の詳細等を各ERUハンドブックに記載しています。
参考:レッドチャネルに関するガイダンス文書「The Red Channel Agreement - A guidance document regarding the collaboration between IFRC Medical Response Units and the WHO EMT Initiative May 18 2021 FINAL.pdf」