海外たすけあい
「NHK海外たすけあい」とは
「NHK海外たすけあい」は日本赤十字社とNHKが毎年12月に実施している募金キャンペーンです。
皆様からのご寄付は、世界各地で紛争、災害、病気などにより苦しんでいる人びとを支援する活動に役立てられます。
1983年から2023年までに世界170の国と地域に支援を届けました。
特徴1 今年で42回目を迎える、歴史と信頼のある募金キャンペーン
国際赤十字創設120周年、NHKテレビ放送開始30周年という記念の年であった1983年にはじまり、現在まで長きに渡って続いている歴史のある募金キャンペーンです。
特徴2 必要な人に必要な支援を 対象を絞らず、幅広く行き届く支援
女性や子どもはもちろん、より幅広い人びとに支援を届けるとともに、紛争や災害など、様々な危機を対象に支援を行っています。
特徴3 ご寄付が実際の支援に充てられる割合は、94%
ご寄付の94%を実際の海外支援活動に充てており、緊急救援から復興支援、開発協力に至るまでご寄付を有効活用しています。
赤十字の支援活動
紛争に伴う難民・避難民などへの対応
2022年2月から続くウクライナ人道危機、昨年10月から事態が深刻化したイスラエル・ガザ人道危機など、今この瞬間も紛争の影響を受ける人が後を絶ちません。
赤十字は、武力紛争という人間性が最も蹂躙(じゅうりん)され、無制限な暴力が行われやすい状況の中であっても、紛争の影響下にある人々に必要な支援(医療支援、救援物資・医薬品の配布、こころのケア、給水支援、生計支援等を届ける「救援」活動に取り組んできました。また、紛争の混乱によって離散した家族の再会支援や収容所への定期訪問等の「保護」活動も国際人道法に基づき継続しています。
救命ボートで住民の避難を支援する赤十字スタッフ©ウクライナ赤十字社
頻発、激甚化する災害への対応
世界各地において、気候変動の影響と見られる災害が頻発しています。食料危機や保健衛生状況にも影響があると言われています[1]。また、災害(特に干ばつ、砂漠化)には自然災害をめぐる紛争を助長する傾向があり、紛争が長期化すればするほど災害リスクも増大するという調査結果もあります[2]。
赤十字は脆弱な立場に置かれた人々への食料支援、現金・物資給付による総合的な生計支援、医療サービスの提供や給水・衛生及び衛生促進、こころのケアのほか、小規模農家に対して種苗や農具、技術支援を行うなど様々な支援を実施しています。
[1] IPCC – Red Cross Red Crescent Climate Centre
[2] UNDP, Disaster-Conflict Interface:2015, p.8
避難所で子どもたちのこころのケアを実施するスタッフ©PRCS
人びとのレジリエンスを高めるために
赤十字では、平時から人々が予測不能な災害に備え、自ら対応し、立ち上がる力、すなわち「レジリエンス」を高めるための防災教育や救急法の普及などを行っています。
紛争のみならず、あらゆる人道危機からの復興、人的・社会的・経済的基盤の再構築には人々のレジリエンスが欠かせません。
困難な状況下にある人々への支援に加え、「自らの命と健康は自分で守る」、そして「人々の尊厳が守られるようたすけあう」という意識を一人ひとりが持つことが何より大切です。赤十字は、現地のボランティアとともに、地域の生活習慣や文化をよく理解した上で、病気やけがの「予防」のための啓発活動も展開しています。
ルワンダと東京の子どもたちが交流をした時の様子
世界から届いた「ありがとう」の声
ヤナさん(ウクライナ)
「2022年にウクライナ国内の比較的安全な地域に避難してきました。今住んでいるアパートは構造が古く窓から冷たい隙間風が入るため、冬はとても寒いです。日本の皆さんの支援で、ウクライナ赤十字社からセラミックヒーターを頂きました。これで子どもたちも風邪を引きにくくなると思います。このような大変な時に私たちを助けてくれてありがとうございます。」
(写真:©日本赤十字社)
アノワラ・ベグムさん(バングラデシュ)
「バングラデシュに避難してから身体に不調が見られるようになりました。体調が悪化していた時に地域の避難民ボランティアに相談したところ日赤の診療所を紹介してもらいました。高血圧の診断と処方薬をもらい、その後も定期的なボランティアの訪問により症状が改善して助かりました。」
(写真:©バングラデシュ赤新月社)
ソムランさん(ネパール)
「畑仕事をしている時、自宅が火事に見舞われました。息子が屋内にいたので大声で叫びました。すると、赤十字の自主防災組織のメンバーが駆けつけて息子を助け出し、そして防災訓練の学びを生かして消火作業に当たってくれました。家は消失しましたが、生活再建の支援も頂き、本当に感謝しています。」
(写真:©IFRC)