「支えたい」そのキモチ届けます!:ギリシャ

ギリシャはいま・・・

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エーゲ海の青い海と宝石のような島々、パルテノン神殿に代表される白く美しい建築物の数々、そして悠久の歴史と神話を育んだギリシャ文化と人びと・・・多くの観光客にあふれかえっていたギリシャ共和国は現在、中東を中心とする大量の難民が押し寄せ、多くの難民キャンプや保護施設が設置されています。今、ギリシャで何が起きているのでしょうか?

なぜ難民がギリシャに?

ギリシャに4万人近くいる難民は、シリアを中心とする中東危機から逃れるために遥か1,500kmの道のりを旅してきた人びとです。しかし、彼らの本当の目的地は、難民の受け入れに比較的寛容であり、経済的にも安定している欧州の国々でした。ギリシャに到着した難民はそこから北へ向かうはずだったところ、北部国境に面するマケドニアの国境閉鎖の影響から、ギリシャ国内に留まらざるを得ない事態に陥りました。

なぜ難民に支援が必要なのか?

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ギリシャから移動できなくなった難民の一 部は難民キャンプで集団生活を送ることになります。ここでの生活環境はもといた国のものとは比較にならないほど悪化します。住居、食事、衛生、教育などは全て必要最低限となり、時にはそれすら手に入れられなくなります。また、保健・医療に関しても同様です。医療サービスの整っていない状況での集団生活では、どのようなレベルの感染症も人びとの命を危機にさらします。難民の大半は子どもと女性ですが、特に免疫力の弱い幼児と妊婦にとって基礎的な保健・医療支援は必須となります。しかし、トイレやシャワーなどが不十分な劣悪な衛生環境の場合、本来自分で対処できるような軽微な怪我や病気でさえ命を脅かす深刻な影響を及ぼします。

難民に届く国際赤十字の支援とは?

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2015年、各国赤十字・赤新月社の連合体である国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)は、ギリシャ赤十字社を通じてギリシャ政府から、滞留する難民の衛生、保健、医療面での支援を要請されました。連盟では協議の結果、フィンランドやドイツ、フランス、スペインなどの赤十字社から編成される複数の国際医療・保健救援チームを、イギリスなどの赤十字社から給水衛生に関する救援チームを現地に派遣することとしました。

医療・保健チームは難民キャンプ内に仮設の診療所を設置し、基本的な医療サービスを無料で提供しています。また、キャンプ内での集団感染を防ぐために各種予防接種を実施しています。

給水衛生チームは衛生環境の改善を目的としたトイレやシャワー設備の設置を行いました。また医療チームが活動で使用するための給水設備も整備しました。異なる分野のチームがお互いに助け合って活動できるのも赤十字のネットワークを生かした強みとなっています。

日本赤十字社は何をしている?

前述の各赤十字社による連合救援チームは、活動開始の時点から日本赤十字社と協働することに合意、世界の赤十字社の中でも医療を得意分野とする日赤からは医療従事者の派遣を主とした人的貢献を目的に、今年3月の救援第1班派遣から現在までの6カ月間で、助産師や医師、看護師計9人を派遣しています。

妊産婦にとってキャンプの環境は過酷です。その上、相談する人や頼る施設の無い彼女たちは大きな不安を抱えたまま出産を迎えることとなります。日赤助産師は彼女たちの支えとなり妊娠期をサポートします。また、母親に同行する子どもたちなどにも目を向け、積極的な心のケアを行います。

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医療器具や薬剤の不足、適切な検査や手術のできない環境での活動は日赤医師にとってもチャレンジです。しかし、日本の病院での豊富な経験を活かした診療活動や混乱する現地医療環境の改善は、他国赤十字社スタッフや現地ボランティアとの協力の中で大きな成果を生んでいます。

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みなさまの支援がカタチに

日赤の医療要員派遣を含むさまざまな国際救援活動は、みなさまからの温かいご支援を基に行われています。派遣された要員は、人びとの尊厳を守るため、そして皆さまのお気持ちを届けるために、全力で活動に取り組んでいます。

引き続き日本赤十字社の活動にご理解とご協力を頂きますようお願い致します。

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