インドネシアへ毛布を寄贈しました!
~株式会社オンワードホールディングスと日本赤十字社の協力~
2017年10月下旬、日本赤十字社(以下、「日赤」)は株式会社オンワードホールディングス(以下、「オンワード」)様のご協力を頂き、インドネシアで毛布を寄贈しました。今回は、贈呈に立ち会った職員がその様子をご報告します。
アパレルメーカーのオンワードは、同社製の衣料品をお客様から回収し、その衣料品をリサイクルして毛布等を作り、世界に届ける「オンワード・グリーン・キャンペーン」を2009年から実施しています。日赤は、2011年からこの取組みに協力しており、8回目の協力となる今回は、インドネシアのベンクル州へ4,000枚のリサイクル毛布を寄贈することとなりました。
災害の多いベンクル州で、救援物資として
ベンクル州はインドネシア西部スマトラ島西岸に位置し、首都ジャカルタからベンクル州までは、飛行機でも約1時間半かかります。スマトラ島というと、2004年に発生したスマトラ島沖地震を思い出される方も多いかと思います。ベンクル州周辺も、地震の「空白域」と呼ばれており、いつ地震や津波被害に遭うかわからないような環境下にあるため、日赤はインドネシア赤十字社とともに、平時からベンクル州で防災事業に取り組んでいます。そのため、インドネシア赤十字社へ毛布のニーズ確認をした際に真っ先にあがってきたのは、救援物資としてのニーズ。オンワードも被災者支援に関心を寄せてくださったため、今回寄贈した4,000枚のうち1,000枚の毛布は災害が発生した場合に活用すべく、インドネシア赤十字社ベンクル州支部で備蓄されます。
所得格差の拡がるインドネシアで、生活困窮者層への支援として
その他3,000枚の毛布は、ベンクル州内の孤児院や寄宿学校のほか、公的医療施設や公的介護施設等、生活困窮者層を中心に寄贈しました。実際、ベンクル州のセルマ地区にあるミフタフル・ヒダヤ(Miftahul Hidayah)寄宿学校の副校長は、「ここにいる子どもたちは、毛布を使ったことがありません。毛布を買うことができないので、今まではサロン(sarong)という服を毛布の代わりにしていました。これからは、本物の毛布で眠ることができます」と感謝の言葉を伝えてくれました。また、同地区にあるアルラーダ(Ar Raudah)寄宿学校の職員は、「毛布の上からは蚊に刺されないので、これからは子どもたちが安心して眠ることができます」と、目を輝かせながら教えてくれました。
支援の架け橋として
今回寄贈した4,000枚の毛布のもととなった洋服は、「オンワード・グリーン・キャンペーン」のコンセプトに賛同した日本の約7万人の方からご提供いただいたものです。オンワードの清家執行役員は、「この毛布には、皆さんの支えになりたいという多くの日本人の想いが詰まっています」と、寄贈先の皆様に伝えていました。今回の限られた訪問期間では、寄贈先のすべてを回ることは叶いませんでしたが、訪問した7つの孤児院や寄宿学校で、私たちを見て駆け寄ってきてくれる子どもたちの姿を見て、言葉だけでなく、全身で喜びを伝えてくれているように感じました。日赤は、世界に190ある赤十字のネットワークを生かし、今後も支援を必要とする方と支援に関心のある方の架け橋としての役割を担っていきます。