(速報5)ハイチ大地震:現地の「病院ERU」に日赤から薬剤師を派遣
8月14日にハイチを襲ったマグニチュード7.2の地震による被害は、死者2,200人以上、負傷者12,000人以上となり、いまだ300人以上が行方不明のままです。支援の必要な被災者は65万人以上といわれ、13万7,500棟の家屋が全半壊する中、家を失った多くの人びとが避難生活を余儀なくされています。
地元の医療施設の多くも大きな被害を受け、被災者・住民が医療サービスを十分に受けられない状況となったことから、国際赤十字は地元のハイチ赤十字社の要請により、8月27日、フィンランド赤十字社を中心にテント型の野外病院(以下、「病院ERU」(Emergency Response Unit))を展開することを決定。被害の大きかった3つの県の1つである南県のレカイに入院・手術機能を持つ臨時の病院を設置して医療を提供しています。
このたび、日本赤十字社(以下、「日赤」)は、薬剤師をこの病院ERUに派遣することになりました。第1陣として、日本赤十字社和歌山医療センターの榊本亜澄香(さかきもと・あすか)薬剤師が、本日(10月5日)、現地に向けて日本を出発しました。アメリカを経由して、首都ポルトープランスからレカイに到着するのは10月7日朝(日本時間同日夜)になる予定です。派遣期間は約1カ月です。
榊本薬剤師(右写真)はこれまでに海外での緊急救援として2015年ネパール地震救援、2017年バングラデシュ南部避難民救援に派遣され、日赤の診療所ERU(旧:基礎保健ERU)の薬剤師として現場での薬剤管理等を行ってきました。今回、病院ERUでは、手術や治療に必要な医薬品や医療物資の適切な保管・管理、現地スタッフの指導・育成などの業務を担当します。
「病院ERUのチームの一員として、ハイチの人びとに少しでも安心と笑顔を届けたいです。次の人に、そして、これからの赤十字の活動に繋がるように、精一杯頑張ります。」と、出発前の榊本薬剤師は自身の抱負を語りました。
(c)Finnish Red Cross
(c)Adriano Valentini
国際赤十字の病院ERUは、今年末までの予定で、被災した地元の病院に代わり、地域の人びとの健康といのちを守る大切な役割を担うことになります。フィンランドなど各国の赤十字社から派遣された外国人スタッフ約30人に加え、地元の医師・看護師・助産師・こころのケア担当などの医療スタッフや事務や清掃・車両運転・警備を担当するスタッフもすでに100人以上働いています。病院ERUでは、現在、一日あたり100~140人の患者の診療を行っています。
日赤では、これからも継続して日赤の薬剤師を赤十字の病院ERUに派遣し、被災したハイチの人びとの支援を続けていく予定です。
日本赤十字社では、引き続き、被災された方の救援及びハイチ共和国での赤十字の人道支援のために海外救援金を募集しております。
皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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