トンガ:火山噴火・津波被害から1カ月半、現地では
南大洋州の島国トンガ王国の首都から北に65kmに位置する海底火山で、1月15日(現地時間)に大規模な噴火が発生してから1カ月半が経ちました。トンガ政府の発表によると、これまでに死者は4人(うち災害関連死1人)、負傷者14人、火山噴火と津波、火山灰の降灰により、家屋の浸水・倒壊、貯水タンクや井戸などの水源汚染の被害が発生。被災者は人口の8割以上にあたる8万4千人にのぼり、現地ではいまもなお多くの人々が避難生活を余儀なくされています。
さらに今回の災害では、海底ケーブルが損傷したことでトンガ全土に大きな通信障害が引き起こされました。そのため衛星通信など限られた通信手段に頼らざるを得ず、被害状況や安否情報の迅速な把握、海外との緊急連絡に大きな支障が出ていましたが、人工衛星の活用や海底ケーブルの修復が進むに連れて国際電話やインターネットの接続も徐々に復旧してきています。
新型コロナの感染拡大の中、懸命に支援にあたるトンガ赤十字社
新型コロナウイルス感染症の猛威は、これまで感染者が確認されていなかったトンガにも襲いかかってきました。トンガでは2022年2月1日に外国からの入国者以外で初めて新型コロナの感染者が確認されて以来、2月15日現在の感染者は233人と感染者が急増しています。トンガ政府は2月2日から全土でロックダウン(都市封鎖)措置を導入し、島から島への移動が制限され、救援物資の輸送も滞り始めました。
そんな中、トンガ赤十字社のスタッフやボランティアは、被災者の救援活動に従事するエッセンシャルワーカーとして移動の制限が免除され、十分な感染予防対策をとりつつ活動することが許されています。トンガ赤十字の救援チームは、これまでにトンガタプ本島やハアパイ諸島、エウア島の被災者に、テント、飲料水、毛布、キッチンセット、衛生用品セット、ソーラーランタンなどの救援物資を配付しています。トンガ赤十字社は今後、日赤をはじめとした国際赤十字の支援を受けながら、被災者の生活に必要不可欠な救援物資の配付を続けるとともに、水・衛生、生活再建の支援などに取り組んでいきます。
新型コロナの世界的な蔓延の影響で、トンガでは以前から観光業による収入の減少など多くの人びとが社会的経済的に苦しい状況に置かれていました。そこに襲った火山噴火・津波の被害、さらに国内での新型コロナの感染拡大。被災した人びとは二重・三重の苦労を強いられ、困難や大きな不安に直面している状況です。
日本赤十字社では、被災された方々の救援及びトンガでの赤十字の人道支援のために海外救援金の募集をしています。
皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
トンガ大洋州噴火津波救援金
受付期間: 2022年1月26日(水)~2022年3月31日(木)
使途 : 国際赤十字・赤新月社連盟とトンガ赤十字社等が実施する噴火・津波災害の救援・復興活動を支援し、同様のリスクを抱える周辺国など大洋州島しょ国の災害対策・救援物資備蓄等を行います。