【速報7】トルコ・シリア地震:大災害に立ち向かう現地スタッフ、被災者の声

 トルコ・シリアで発生した大地震からまもなく2週間が経過します。この地震による死傷者の数は日々増加し、217日現在、両国で計44,000人近くが命を落としたことが報告されています。そして、未だ被害の全貌が明らかにならない中、現地の状況は急速に変化し、支援のニーズも増加しています。

p-TUR1717.JPG

建物の倒壊被害を多数受ける被災地(トルコ)

被災地で続く救助活動をはじめ、怪我をした人々への応急手当、救援物資の配付や食事の提供、こころのケアなど、多岐にわたる活動は現地の赤新月社(イスラム圏の赤十字社)のスタッフやボランティアがリードし、日本赤十字社など、国際的な赤十字のネットワークが支えています。

これまで救援活動に携わってきたスタッフ、ボランティアの数は9,000人を超えました。彼ら自身もまた、被災者であり、あるいは被災国に住む人々です。厳しい環境にあっても、苦しむ人々を救いたい、何か力になりたいという思いのもと、今日も活動を続けています。

今号では、そんな思いを胸に、最前線で活動するスタッフと被災者の声をご紹介します。

■私もショックを受けている。でも最善を尽くしたい。

トルコ赤新月社のイギットさんは、発災直後から被災地で活動するスタッフの一人です。

「私は発災後、すぐ被災地に駆けつけました。自分のことはあまり考えず、ただ、バッグ一つだけを持ってここに来たのです。人びとは悲しみの中で声をあげて、愛する家族や友人を探していました。その光景は、本当に胸が痛むものでした。

 私たちは今、被災者の悲しみに寄り添うだけではなく、彼らと同じ場所で生活を送っています。自分自身も災害のショックを受けているのかもしれません。でも、私たちは彼らのためにここに留まり、彼らのために最善を尽くします。」

p-TUR1694.JPG

トルコ赤新月社スタッフのイギットさん

■私達は強くならなければ。

20230220-9682772525b34410584e39e18c5e7fb70d85ea1b.jpg

仮設住宅で暮らすミハリバンさん一家

震源地近くトルコのカフラマンマラシュで、娘と7歳の孫娘と一緒に暮らすミハリバンさん。彼女達もまた、この地震で被災し、今は仮設の住居に避難しています。

ミハリバンさん一家はトルコ赤新月社の給食サービスにより、一日3食をとることが出来ています。また、孫娘のエイルールちゃんは、やはりトルコ赤新月社が設置した子供の遊び場、「チャイルド・フレンドリー・スペース」に通っています。

「私たちは大丈夫。私たちは強くならなければいけません。この仮設住宅ではお互いのことを知らないけれど、この経験を通じて新しい家族になりました。」そう、笑顔で話してくれました。

多くの苦しみと悲しみの中でも、地震の被災者、そして支援に携わる現地のスタッフやボランティアは共に寄り添い、この災害を乗り越えるために力強く歩んでいます。一人ひとりの歩みを確かなものとするために、国際赤十字は一丸となって支援を続けています。

「2023年トルコ・シリア地震救援金」

受付期間: 2023年2月9日(木)~2023年5月31日(水)

使途  : 国際赤十字・赤新月社連盟の緊急救援アピール等に対する資金援助、トルコ赤新月社並びにシリア赤新月社による救援・復興活動、日本赤十字社による救援・復興活動等に使われます。

本ニュースのPDFはこちら