【速報】スーダン:衝突の激化、スーダン赤新月社の活動

4月15日、スーダンで軍と準軍事組織の衝突が勃発し、その後戦闘は首都ハルツームのみならずスーダン全土で急速に激化しています。400人以上が命を落とし、さらに多くの人々が負傷し、早急な治療を必要としているという報告もあります。

多くの市民が数日間、家から外出できず、食料や水などの生活に欠かせない物資が必要な状態です。また、学校や病院に取り残されている市民も多く、避難を必要としています。

スーダン赤新月社のこれまでの対応

スーダン赤新月社(赤新月社はイスラム圏での赤十字社)には、一般市民から避難の手助けを求める電話が多数寄せられていますが、戦闘の中、輸送手段が非常に限られているため、なかなか大規模な活動が進められていないというのが現状です。国際赤十字は、避難や人道支援物資の安全な配付を可能とするため、停戦を呼びかけています。

事態が悪化する中、国際赤十字は、スーダン赤新月社を中心にできる限りの救援活動を続けています。これまで以下のような対応をしてきました。

・スーダン赤新月社が緊急対応センターを立ち上げ、各種調整や情報管理、スタッフやボランティアの安全管理を行う

200人以上のボランティアがハルツームに派遣され、7台の車両、4台の救急車で負傷者の探索救助や避難支援、応急処置や避難者の心理社会的支援を提供

・危険を避けつつ100人以上を病院に移送し、必要な診療を受けさせることに成功

・北ダルフール州、南ダルフール州、北部州に数百人のボランティアが派遣され、病院での応急処置に従事

画像 戦闘で負傷した男性を病院に搬送するボランティア©スーダン赤新月社

画像 スーダン赤の緊急対応チームが負傷者を手当©スーダン赤新月社

スーダン赤新月社の倉庫の略奪

このような中、スーダン赤新月社の倉庫が被害に遭い、救援車両や物資が奪われる事件が起きました。

4月21日、何者かが北ハルツームのスーダン赤新月社支部に侵入し、スーダン赤新月社の倉庫から車両や救援物資を盗み出しました。盗まれた品物には、赤十字(赤新月)のロゴが明記されていました。

国際赤十字は、スーダン赤新月社に属する倉庫を含む事業所へのあらゆる形態の略奪や侵入を非難し、また赤新月・赤十字の標章を尊重するよう呼びかけています。

日本赤十字社を含む国際赤十字は、戦闘が始まって以来、スーダンの人々の命を救う支援を行ってきたスーダン赤新月社の職員・ボランティアと引き続き連帯していきます。

本ニュースのPDFはこちら