【速報】ギリシャ沖移民船転覆:最大500人が行方不明との情報、ギリシャ赤十字社は生存者への救護活動を実施
6月14日、ギリシャ南部ピュロス沖で女性・子どもを含む多数の移民を乗せた船が転覆し、6月19日時点で81人が命を落としたことが報告されています(ギリシャ沿岸警備隊)。これまでに104人が救助されていますが、この船にはもともと数百人もの移民が乗っていたため、行方不明者の数は最大500人にも上ると見込まれており(国連:OHCHR)、被害の全容はまだ見えない状況が続いています。時間が経過するとともに生存率も著しく低下するため、一刻も早い行方不明者の発見が急務となり、現地では大規模な捜索・救命活動が続けられています。
仮設診療所で救助された人々の世話をするギリシャ赤十字社のチーム©ギリシャ赤十字社
■ギリシャ赤十字社は生存者への救護活動を展開
ギリシャ赤十字社は、船の転覆直後から看護師やボランティアを含めた保健医療の専門チームや緊急救助チームを動員し、救助された人々への応急処置に加え、設置した仮設診療所での食料・生活必需品等の配付、こころのケアを実施し、20人の子どもを含む80人以上へ緊急の支援を届けています。
ギリシャ赤十字社の救助活動の様子©ギリシャ赤十字社
また、生存者への緊急の支援と共に進められているのが離散家族への支援です。
ギリシャ赤十字社の捜索チームは、赤十字国際委員会(ICRC)の支援を受けながら、生存者と家族が連絡を取れるよう支援していて、これまでに救助された78人の家族との連絡を仲介しました。加えて、ギリシャ赤十字社はこころのケアホットラインを活用し、犠牲者・生存者家族に対し電話を通じた心理的サポートを行っています。6月17日昼までに400件の電話に対応し、現在も対応を続けています。
現地で離散家族再会支援を実施©ギリシャ赤十字社
こころのケアホットラインによる心理的支援©ギリシャ赤十字社
ギリシャ赤十字社は、この大規模な事故に対し、スタッフ、ボランティア総力を挙げた対応を続けています。必要とされる限り現場にとどまり、犠牲者、生存者とその家族に寄り添い、支援を続けます。
泣き止まない子どもを抱きかかえるギリシャ赤十字社スタッフ©ギリシャ赤十字社