【速報4】リビア洪水:国際赤十字が支援計画を発表、日赤は3,000万円の資金援助を決定
リビア東部を襲った暴風雨による大規模な洪水は、日々被害を拡大させています。
リビア赤新月社は発災後、被害状況に関する情報が少ない中、現地での救援活動の報告や衛星写真から「10,000人が行方不明のおそれがある」と発表。この洪水が未曽有の大災害であることを、中立な立場でいち早く国際社会に伝えました。
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は9月15日現在、推定5,000人以上の犠牲者がいると報告したものの、行方不明者の数は依然として変わらず、更なる状況の悪化が懸念されています。
道路の冠水、インフラ・通信の切断など多くの課題を抱える被災地©リビア赤新月社
リビア赤新月社はハリケーン「ダニエル」の発生後、直撃に備えて被害予測及び住民への情報提供、ボランティアの出動など、支援準備を進めました。その後洪水が発生し、災害の規模が拡大したと同時に直ちにボランティア・スタッフを動員し、捜索・救助活動を開始。数万人とされる避難者に対する、応急手当、安全な避難場所、食料品、生活必需品などの物資、こころのケアの提供など活動を拡大しています。
今も被災地では昼夜問わず行方不明者の捜索活動が続けられていますが、道路や瓦礫の下に多数の遺体が取り残されていることから感染症の流行など二次的な被害も懸念され、早急な遺体の搬送・収容が課題となっています。リビア赤新月社は尊厳ある遺体の搬送・収容に注力し、身元の特定等については赤十字国際委員会などの協力も得ながら懸命な活動を続けています。
【捜索・救助活動】
腰の高さを超える浸水被害の中での捜索・救助活動©リビア赤新月社
瓦礫の中に埋もれた行方不明者の捜索・救助活動©リビア赤新月社
【尊厳ある遺体の搬送・収容】
犠牲となった被災者を遺体袋に包み搬送・収容するボランティア©リビア赤新月社
【被災者への救援物資の配付】
国内外からの救援物資を受け取り、配布準備をするボランティア©リビア赤新月社
夜間、国内の物資備蓄倉庫から被災地への物資搬送準備を実施©リビア赤新月社
■連盟は1,000万スイスフランの緊急救援アピールを発出
連盟は今回の地震被害を受けて、リビア赤新月社の救援活動や今後の復興活動を支援するため、1,000万スイスフラン(日本円で約16億円)の緊急救援アピール(資金援助要請)を発出しました。
この資金により、今回の洪水で最も深刻な被害を受けた20万人を対象として、保健・医療支援や安全な水・衛生環境の整備、避難場所の確保や救援物資、食料、生活必需品の提供、生計支援、保護活動など、包括的な支援が実施されます。
3メートルを超える洪水が被災地を壊滅状態へ(トルコ赤新月社による撮影)
■日赤は3,000万円の資金援助を決定
拡大する被害、増え続けるニーズに対応するべく、日本赤十字社は、連盟のアピールに対し3,000万円の緊急資金援助を決定しました。今後も被災地のニーズに応えられるよう状況を注視しながら支援を行ってまいります。
引き続き「2023年リビア洪水救援金」への温かなご協力をよろしくお願いいたします。
「2023年リビア洪水救援金」
受付期間: 2023年9月14日(木)~2023年11月30日(木)
使 途 : 国際赤十字・赤新月社連盟、赤十字国際委員会、リビア赤新月社、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動、防災・減災活動等に使用されます。