第41回NHK海外たすけあい募金キャンペーン実施報告
日本赤十字社(日赤)が毎年12月にNHKと協働して実施するNHK海外たすけあい募金キャンペーンは、1983年に始まり2023年は第41回目となるキャンペーンを実施しました。第41回では、皆様から84,339件、合計8億6,384万1,244円の多大なるご寄付をいただきました。皆様のあたたかいご支援に心から感謝申し上げます。
赤十字は、動いてる! 今、危機に瀕している1億人の命をつなぐために。
世界では、紛争などにより故郷を追われた人の数が2022年に1億人を超え、増え続けてしまっています。背景には、各地で頻発する紛争や迫害などがあり、避難生活を送る人々は、「先が見えない」「十分な社会的保障がない」「十分な支援が届かない」中で生きています。もし、この問題に対する私たち一人ひとりの関心が薄れてしまうと、支援の手が及ばなくなり、この人道問題が取り残されてしまう危険性すらあります。
日赤は、長く支援してきた避難民の生きる力(いのちと健康、尊厳)を支える取り組みに注目し、皆様に日赤の国際活動を通して難民・避難民の現状に関心を持ってもらうことで、報道の差や世間の関心の差により、支援に格差が生じることがないよう本キャンペーンを通して訴えかけてきました。
これからも世界各地に広がる赤十字の草の根のネットワークというユニークな強みを活かし、365日活動を続けることで、世界各地の人道危機に対して支援を届けて参ります。
紛争に伴う難民・避難民などへの対応
≪主な支援活動≫
ウクライナ人道危機救援、バングラデシュ南部避難民支援、中東地域の紛争犠牲者支援(レバノン、シリア、イラク、パレスチナ、イエメンほか)、イスラエル・ガザ人道危機、各地域で紛争に苦しむ人々への支援(南スーダン、ソマリア、コンゴ民主共和国、エチオピア、ナイジェリア、ミャンマー、マリほか)、その他突発的な武力紛争の犠牲者支援のため
(ウクライナ・キーウで救護活動を行う緊急対応要員 ©URCS)
頻発、激甚化する災害への対応
≪主な支援活動≫
・突発的な洪水や干ばつなど自然災害の被災者救援のため
・アジア・大洋州地域での給水・衛生災害対応キット整備のため
・緊急時の救援物資、資機材備蓄のため
(被災者の捜索・救助活動を行うアフガニスタン赤新月社のスタッフとボランティア ©ARCS)
人々のレジリエンスを強化するための取り組み
≪主な支援活動≫
・ルワンダやアフガニスタンの気候変動に対するレジリエンス強化のため
・インドネシアなどでの防災活動のため
・大洋州地域、カリブ海地域の災害対応能力強化のため
・ラオスなどでの応急手当等普及のため
・東アフリカ地域の地域保健強化のため
・南部アフリカ地域の感染症対策のため
(災害リスクマップを作成する村人たち)
ありがとうの声
バングラデシュ南部避難民支援
「バングラデシュに避難してから身体に不調が見られるようになりました。体調が悪化していた時に地域の避難民ボランティアに相談したところ日赤の診療所を紹介してもらいました。高血圧の診断と処方薬をもらい、その後も定期的なボランティアの訪問により症状が改善してたすかりました」
バングラデシュ南部避難民 Anwara Begum(アノワラ・ベグム)さん
(©バングラデシュ赤新月社)
中東人道危機救援
レバノン赤十字社が運営する診療所を利用しています。わたしたち地域住民にとって、この診療所は大事な存在で、信頼性も高いです。今日は薬をもらいにきました。レバノンではいま、経済危機の影響で医薬品が高騰しており、自分で購入するのが日に日に難しくなっています。こちらの診療所では必要な薬について無償で処方して頂き、大変感謝しています。
レバノン・トリポリの住民* Marwa(マルワ)さん
(©日本赤十字社)
*レバノン赤十字社 地域の人びとの健康を支える診療所の支援