【活動のご報告】フィリピン南部台風の被害に対する赤十字の支援
【活動のご報告】フィリピン南部台風の被害に対する赤十字の支援
1. 災害の概要
- 発災日:2012年12月4日
- 被災地域:フィリピン南部ミンダナオ島
- 死者:1067人 行方不明者:834人
- 負傷者:2666人
- 全壊家屋:8万9666軒
- 損壊家屋:12万7151軒
- 総被災者数:624万3998人
フィリピン南部ミンダナオ島を台風24号(ボファ)が直撃、激しい雨と風をもたらし、各地で洪水や土砂崩れなど甚大な被害が発生した。これらの状況を受けて、アキノ大統領は同年12月9日に国内の50州に対して国家災害事態宣言を発令。
2. 支援活動
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)、赤十字国際委員会(ICRC)をはじめとする国際赤十字はフィリピン赤十字社の救援・復興支援活動を支援するため、緊急アピールを発表し、支援活動を実施しました。日本赤十字社も国際赤十字の一員として下記の支援を行いました。
2.1 日本赤十字社の活動
(1)資金拠出連盟の緊急アピールへ2000万円、ICRCの緊急アピールへ約300万円の資金援助
(2)医療チームによる救援活動
日本赤十字社はICRCの要請を受けて、12月末から3月20日まで基礎保健RD(Rapid Deployment: 緊急対応)チーム5人を派遣しました。
チームはもっとも被害が深刻な東ダバオ州バガンガに診療所を開設し、台風被害で機能を失った地域の保健医療施設に代わって被災住民に基礎保健サービスを提供したほか、母子保健のチェックやこころのケア、予防接種なども行いました。
<主な実績>
診療者数:7019人
(2013年1月3日~3月20日)
- 主な疾患:呼吸器疾患、下痢等
- 妊産婦検診:135人
- こころのケア:633人(うち子ども60%、女性33%、7%男性)
- 地域保健従事者、教師への研修:155人
- 保健衛生教育1163セッション(主に保護者を対象として実施)
2.2 国際赤十字の活動
■ 赤十字国際委員会(ICRC)
赤十字国際委員会(ICRC)は、平成24年12月13日に緊急救援アピール発表(1000万スイスフラン、約9億700万円)を発表し、台風対応を開始。
その後、4,305万5,000スイスフラン(約43億5,372万円)に予算を拡大し、東ダバオ州、コンポステラ・バレー州、南スリガオ州の3州において支援を行いました。
<主な支援実績>
- 生活必需品や食糧の配付(30万人対象)
- 飲料水の提供(2万5000人対象)
- 給水設備の補修(20村落、1万5000人対象)
- 生活再建のための農業・漁業支援(3万世帯対象)
- 家屋を補修・再建するための工具キットの配付(5000世帯対象)など
- フィリピン赤に遺体収容袋を提供
- 長年にわたり医薬品備蓄支援をしている上記3州の病院へ追加支援を実施
■ 国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)
連盟は、2013年12月5日には、約4億円規模(4,523,369スイスフラン、約4億円)の暫定緊急救援アピール発表。
平成24年12月21日には緊急救援アピール発表(14,941,134スイスフラン、約14億円)し、コンポステラ・バレー州と東ダバオ州において18カ月間、支援を行いました。
<主な支援実績>
- 17,000 世帯に食糧の配付
- 17,000世帯に毛布等の日用品を配付
- 40,000世帯に保健衛生教育を実施
- 8,105世帯に住居修復支援? 1,200世帯に住宅再建支援
- 4校に新しく給水・衛生設備を設置
- フィリピン赤十字社支部に救助と通信資機材を提供
- 支部事務所の建設
3.海外救援金の使途
みなさまからお寄せいただいた約1,552万円の海外救援金をもとに下記の支援を行いました。
<収入 >
海外救援金 15,519,722円
日本赤十字社活動資金 117,451,044円 ※1
合 計 132,970,766円
※1:日本赤十字社の緊急対応用の財源
<支出>
国際赤十字への資金拠出 25,135,807円 ※2
医療チーム等職員派遣費 2,044,198円
医療資機材購入費・輸送費 105,790,761円
合 計 132,970,766円
※2:赤十字国際委員会及び国際赤十字・赤新月社連盟の支援要請(アピール)への資金援助
日本赤十字社によるフィリピン南部台風支援の活動詳細や、国際支援活動に関する情報はホームページ(http://www.jrc.or.jp/)をご覧ください。
本記事のPDF版は
Final Rep Bopha.pdf