イスラエル・ガザ人道危機
(左)負傷者を搬送するパレスチナ赤新月社のスタッフ©PRCS (右)救援依頼連絡に応じるイスラエル・ダビデの赤盾社スタッフ©MDA
2023年10月7日以降、イスラエルとガザの間の武力衝突が激化しています。現地の人道状況は日に日に深刻度を増しており、双方合わせて犠牲者は4万人を超えました(2024年8月現在:UN OCHA)。被害は拡大する一方で、特に女性、子ども、高齢者、けがや病気を抱えた民間人が苦しい状況にあり、一刻も早い人道状況の改善が必要です。また人質や被拘束者の全員解放が叶っておらず、家族や友人が再会の日を待ち望んでいます。
日本赤十字社はこの度の人道危機に際し、2023年10月17日(火)から2025年3月31日(月)まで「2023年イスラエル・ガザ人道危機救援金」を募集しています。ご寄付いただいた救援金は、赤十字国際委員会、イスラエル・ダビデの赤盾社(イスラエルの赤十字社)、パレスチナ赤新月社、国際赤十字・赤新月社連盟、日本赤十字社が行う救援・復興支援活動等に充てられます。なお、周辺国等に人道危機が波及した場合には、その対応を含みます。
支援の概要
赤十字国際委員会(ICRC)*は今回の人道危機では国際人道法の守護者としての役割と民間人の保護を組み合わせながら、迅速に全体調整を行い対応しています。国際人道法遵守の働きかけ、人質解放・被拘束者の釈放時の中立な立場としての引渡し支援、緊急保健医療の提供などが一例です。イスラエルでは、イスラエル・ダビデの赤盾社が、救急車での負傷者搬送や輸血用血液の確保などの活動を行っています。パレスチナ赤新月社は、ヨルダン川西岸地区ラマラに本社を持ち、パレスチナ難民を支援するために、難民キャンプのあるこのガザ地区や隣国レバノンに支部を持つ形で今回も活動をしています。負傷者の搬送や処置、ラファ検問所からの救援物資の受け取りと配付、避難所における支援など行っています。周辺国ではエジプト、レバノン、シリア、ヨルダンなどの各赤十字・赤新月社が難民流入に備えて準備を行っています。中でもエジプト赤新月社は、ガザ地区と接しているシナイ半島北部での活動をエジプト当局から許可された現時点では唯一の組織であり、国連をはじめとした人道支援団体とも協働し、ラファ検問所を通じた人道支援物資輸送の中心的な役割を担っています。その他、日本赤十字社等の各国の赤十字社は現地の活動を支えるための寄付を集め、資金援助や人的支援を行うほか、情報発信や国際人道法遵守の働きかけをしています。また、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、各国赤十字社の活動をサポートしています。
*ICRCはイスラエル及びパレスチナ被占領地域ガザ地区・ヨルダン川西岸地区に事務所を持ち、1967年以来半世紀以上に渡り活動を展開しています。
負傷者を搬送するイスラエル・ダビデの赤盾社のスタッフ©MDA
夜明けを待ち被害の確認に向かうパレスチナ赤新月社のスタッフ©PRCS
人道支援物資の搬入を行うエジプト赤新月社のスタッフ©ERC
ガザ地区内を走るICRC車両©ICRC
報告会記録
【2024年3月25日開催】武力衝突の激化から半年 ~赤十字活動報告~
【2023年12月7日開催】武力衝突の激化から2カ月 ~赤十字活動報告~
これまでの赤十字ニュース
2024年10月2日 イスラエル・ガザ人道危機:武力衝突の激化から1年
2024年7月3日 イスラエル・ガザ人道危機:ガザ南部ラファの野外病院は今
2024年5月14日 イスラエル・ガザ人道危機:国際赤十字がガザに野外病院を開設
2024年4月5日 イスラエル・ガザ人道危機:武力衝突の激化から半年 ~ウェビナー実施報告~
2024年3月12日 イスラエル・ガザ人道危機:<報告会開催予告>を実施 武力衝突の激化から半年 危機的な状況が続く現地は今